絵画の心はどこなのだろう?
2020-11-02
宮崎県立美術館特別展「美の旅ー珠玉の東京富士美術館コレクション展」
しばし絵画の世界の住人へ
前述の美術展の会期終了が迫る中、妻と朝から当館を訪れた。芸術の秋にふさわしい名画の数々を鑑賞し、ルネッサンス時代から現代に至るまでの西洋絵画の流れを堪能できた。今回、特に心に留めて観たのは、「絵の心はどこにあるか?」ということ。肖像画ならば「眼」となるであろうか。しばらく観ていると「心はどこ?」というだけでは鑑賞にならないことを悟るようになった。肖像画の「眼」には魂、「手」に命、「心」というなら口の奥にありそうな気がしてくる。よく映像作品に絵画から人物が抜け出す場面があるが、肖像画が現実に浮き出してきたら「どんな声だろうか?」などとしばし考えていた。
幼稚園の頃から絵を描くのが好きだった。同居する叔母が絵画に嗜んでいたからかもしれない。実家近所の絵画教室に通い始め、先生にはかなり見込まれていたように思う。小学校半ばで剣道の道場に通うために絵画教室を辞める際は、かなり先生に惜しまれた。もしそのまま教室に留まり絵描きを続けていたら、どんな人生になっていたのだろう。小学校で毎年行われる「写生会」では、1年生で「特選」に入賞し、以後6年生まで必ず毎年「入選」を果たすことができた。構図を切り取って絵の具を塗っていくことに、不思議な集中を感じたあの頃であった。人生でどれほど芸術に向き合えるのだろう。あらためて自己の内部に眠っている才覚を呼び覚ましてみる。
82点を観終わって不思議な疲れが
絵の世界に入り込み過ぎたのだろう
いつも心に芸術の潤いが欲しい
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