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中古文学会2020年秋季大会オンラインシンポジウム

2020-10-18
「これからの古典教育を考える」
お二人の先生方とともに諸分野からの問題提起
枠組みの中だけで行うのではなく批判的解体へ向かうべく

標題の中古文学会シンポジウムでパネリストを務めた。本来は北海道大学での対面開催の計画であったが、春季大会に続くオンライン開催となった。自宅の書斎で学会のパネリストを務めるというのは、人生を通じて予想だにしなかったことだ。朝から脳裏では「北海道大学」に行っていたらどんな行動をしていただろう?ということが想像される。自宅のパソコン前にスーツに身を固めて座る、どこかに日常の褻(け)のモードがあるようで画面越しにそれが出ないようにと気を遣う。先週にリハーサルを行っていたので、戸惑いもなく本番へ。発表時間内に収まることを念頭に置きつつ、プレゼン効果が高いように「原稿読み」はしないで20分の発表を終える。その後は、司会者とパネリストで討議の確認を他のオンライン会議室で行い、討議や視聴フロアーからの質問に対して答える時間へ。3時間超のパソコン前の時間は、まさに人生初体験であった。

今回の報告で提示したのは、従来からの「読解現代語訳型古典学習」から「創作・メディア制作課題型古典学習」に転換するというもの。「メディア」とは「媒介」が原義であるが、ここでは「メディア文化」と包括的に文芸創作(短歌・俳句・物語・脚本等々)や「SNS表現」に「広告宣伝文」や「ラジオ音声表現」などを指す。学習の基本は学び手の興味・関心の換気が鍵となることから、古典本文に「我」を見出し享受したものを「二次創作」として現代的に表現しようとする学習活動の提案である。既に大学生を対象とした講義の中で「本歌取り」の試みや「ラジオドラマ」の制作などの実例を紹介した。また学部附属中学校での主に実習生の行なった授業指導案から、「和歌リーフレット」や「歌物語」の制作に関する指導例を具体的に提示した。他のパネリストのお二人からも、「アダプテーション(再解釈・再創造)や「(古典との)連続性」の方向性が示されて、相互に「参与・補完」する内容の報告となり、討議に及んでそれぞれの特長が活かされた内容とすることができたのではないかと振り返る。

「国語」そのものの解体を考えつつ
入試に囚われない「文学活動」の創造を
まずは自らが向き合う宮崎県の「古典教育」を充実させたい。


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