中古文学会秋季大会オンラインシンポへ向けて
2020-10-12
オンラインシンポジウムのリハーサル実施本番前1週間にて様々な打ち合わせと予備録画としても
他のパネリストの先生方のご報告にも刺激を受けて
本年度、所属する研究学会はオンラインで開催されている場合がほとんどである。5月の春季大会の時期には、初めて実施されたオンラインを聴衆として視聴した。従来ならば週末を都市部の大学へ丸2日間は出向き、初日の講演やシンポジウム、2日目の研究発表を聴き、最後に総会が開催されるのが通例であった。早ければ日曜日の最終便で慌ただしく帰るか、余裕があれば月曜日の実地踏査などに参加してから帰ることもあった。要するに少なくとも2日や3日間は出張することになり、地方大学所属の研究者としてはそれなりの負担があったと言わざるを得ない。もちろん対面性ある機会の意義を十分に認めた上で、オンライン学会は新しい時代の学会のあり方として半ば継続的に検討してもらいたい方式でもある。今回も当初は北海道大学での対面開催が予定されていたが、オンライン開催となった次第である。
今回のシンポジウムは「新しい時代の古典教育を考える」といったテーマで、昨年来、中古文学会が前向きに取り組んできた、現代における研究と教育における大きな課題についてである。教育現場で新学習指導要領が施行されつつあるこの数年において、「国語」教育の方向性を具体的に見定める営為がぜひとも必要である。そのような実情の中で「中古文学研究」はどのように貢献できるのか?「古典離れ」が喧しく叫ばれる中、研究そのものの継承とともに、我々の研究はいかに活かされるべきか?まさに研究学会の未来を考える意味でも重要な課題なのである。所属大学の学生へ高校時代の「国語(古典)」に対する意識についての感想や意見を聞くと、多くが教材そのものよりも「授業方法」によって「(古典)授業嫌い」になっていることが分かる。「古典」の中に少しも「我(自分自身)」が見出せないゆえではないかと思う。「現代にも通ずる心」があることを、指導者の解釈・思考から押し付けても高校生の胸には何も響かない。しかし、和歌の中に「我」と等質の「ドラマ」が発見できたときに初めて「古典」は学習者のものになるのである。本日のところはここまで記しておき、来週の本番に備えようと思う。
我々がなぜ研究をしているかということ
古典に楽しく向き合い学習意欲を持つことの重要性
未来はそんなに遠くない、という危機感・緊張感のもとに。
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