自然の素材が溢れているー第350回心の花宮崎歌会
2020-10-11
対面を再開して2回目の歌会参加者の評があってこそ
歌も「新型」ばかりにあらず
新型コロナ感染対策で通信方式(メール等で詠草互選投票)のみから対面歌会を再開して2度目。変わらず消毒・マスク・距離などの対策が取られつつも、対面で歌会ができるのは誠に嬉しいものだ。出詠された短歌も「新型コロナ」に関連したものが多数ということもなく、秋の季節を感じさせる素材が増えたのも一つの傾向であった。海老・秋茄子・おみなえし・月見草・ガクアジサイ等々、植物や自然景物の歌が多く並ぶのも宮崎歌会の特長ではないかと思う。よって歌評においても植物へ造詣深い内容が聞けることもしばしばで、各ご自宅の庭にある植物と比較した評が聞けることも少なくない。あくまで統計的ではなく印象でしかないが、自然との距離が近い宮崎歌会の歌には心を癒される思いである。
さて、前回の対面は選者が三首を選んで講評をするという形式であったが、今回は事前に投票した歌に対して参加者からの評が加わった。マイクは回さずにスタンド式が会場の数カ所に立てられる、三人掛けの机に一人ずつという対策が取られる。時間も通常よりは短縮して1時間半、それだけに歌評で述べる内容を精査する必要もあり、むしろ引き締まった進行になった気もする。指摘されたこととして「地球」を「テラ」、「惑星」を「ほし」とふりがなをつけることは避けるべきではないかということ。また絶妙な比喩で現代の「生きづらさ」を述べた歌を讃える評もあった。また個人的にはカギカッコ「楽曲名」が詠み込まれた場合、その著名な歌詞のフレーズまでを含み込んで鑑賞を施してもよいかなどに興味が持たれた。
まだまだ会場での会話を控えるなど不自由さもあるのだが
いつしか350回の節目
月1回このように歌仲間と会えることだけでも貴重な時間なのである。
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