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俵万智『未来のサイズ』宮崎生まれの愛情に溢れた歌たち

2020-10-10
心の花宮崎歌会が初出の歌たち
確か批評もしたことがある歌も
母親の愛情そして教師の愛情

出版されたばかりの俵万智さんの第6歌集『未来のサイズ』をご本人からご恵贈いただき、既に通して3回読んだ。歌集冒頭に「2020年」が据えられており、コロナ禍で歴史に刻まれたこの年を、「ふかいことをおもしろく」短歌が紡ぎ出している。此処から2013年まで、俵さんがまだ石垣島で生活されている頃を素材とした歌もあり、宮崎へ移住されてきた時間を遡及することができる。そして何より僕たちにとって、心の花宮崎歌会に出詠された歌たちが歌集に収められていることが嬉しい。確か歌会で評を申し上げたことがある歌が何首かあって、まさに宮崎に住んでいる特権であるように、この歌集を楽しむことができる。

「『短所』見て長所と思う『長所』見て長所と思う母というもの」

『未来のサイズ』は、俵さんの息子さんへの母としての愛情に溢れていると同時に、居住された土地への愛情をたくさん読むことができる。人が生きる上で「愛情」とは何かを深く考えさせられる歌が多いのだ。もちろん、ご当地の美味しい食べ物への愛情も忘れることはない。掲出した歌は母としての「愛情」を素材とした歌だが、ある意味で「教師の生徒への愛情」にも置き換えられるように読めた。向き合う子どもの「長所と短所」を言語化する際に、何をどう書くか?教師は担任する学級の児童生徒について、記録として所見を記すという大切な仕事がある。その際の向き合い方が、まさに掲出歌の「母というもの」と等質な「愛情」をもっていることに気付かされる。俵さんご自身が大学卒業後に経験した「教師」、第1歌集『サラダ記念日』には「教師目線」の歌もあるが、その当時から一貫して変わらない豊かな愛情に『未来のサイズ」は溢れている。これぞ「全肯定」を旨とする俵万智の「一貫した新境地」のようにも思われる。

ご本人への御礼メッセージでお伝えしたこと
ご丁寧な返信をいただき感謝
宮崎での俵さんとの交流は、僕の人生史の上で誠にありがたい時間である。



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