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宮大九大合同歌会ーテーマ詠「丸いもの」

2020-09-25
オンラインの効用
宮崎と福岡を結ぶ短歌の縁
14首の「丸いもの」について3時間の歌会

宮崎大学短歌会の定例歌会が、九州大学短歌会と合同で開催された。従来も先方のメンバーの一部が帰省した際など交流の機会はあったものの、オンラインを使用した本来の「合同」は初めての試みであった。新型コロナがもたらした新しい方式は、このような広域の縁を繋ぐ効用もある。総歌数14首、テーマ詠「丸いもの」。月・太陽・地球などの天体やシャボン玉の歌が複数みられたが、卵の黄身、(時節柄で)おはぎ、ドアスコープやスマホのカメラなど、ユニークな素材を「丸いもの」と見た歌もあった。また宮崎のお土産品として有名な「青島せんべい」は、九大の人から「宮崎愛」があると好評であった。また中には「魂」を詠んだ歌も見られた。

歌評は様々に展開されたが、概して「肯定的」なのか「否定的」なのか?という議論になることが目立つ。これは講義の学生レポートにも顕在化している現象だが、いかがなものかと疑問に思っている。和歌の長い歴史を見れば、「否定」することで物事を鮮烈に印象付ける表現もあり、「肯定」することで稀少な価値を露わにする表現もある。歌評の中で「肯定とも否定とも言えない」という意見もあり、その融合の曖昧さの中にこそ、詩歌が目指す表現の混沌があるように思う。また語彙の知識によって、歌の読みが多様になる面白さが随所にあった。例えば、スマホカメラにはどの程度の機能があるか?その使用方法をどのように見るか?新しい機械、また新しい科学的知見などの語彙の場合、「深読み」かもしれないが多様な読みができることを個人的には楽しめた歌会となった。

また機会を見て
様々な地域の学生たちが短歌で繋がる
またの機会を約束し熱い夜がお開きとなった。


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