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排水は詰まらぬように

2020-09-05
「水の循環」という自由研究
自然の動きを止めるのは人間
気持ちもあれこれ巡らせないと

小学校4年生ぐらいの頃であったろうか、夏休みの自由研究を休み明けの授業で発表するということがあった。僕は「水の循環」というテーマをまとめていて、雨が大地に降り注ぎ川となり海に注ぎ、海は海面温の上昇によって水蒸気を大空に放つことで雲が発生しまた雨となる、概ねその各過程でどのように人間が関わっているかなどを口頭発表した覚えがある。人間が生活用水を獲得するために大地を掘り返した「井戸」の種類なども調べ、「つるべ井戸」など天秤の原理を利用したものなどの絵を描いたことなどが記憶にある。なぜか鮮明に覚えているこの自由研究が、実は大変に重要なことだと大人になってから気づく。自然の循環の中にいるはずの人間が、自分たちの利欲だけを最優先することでこの地球の環境を破壊していることがショックであったからだ。

自宅の排水管洗浄を業者に委託し、その作業を通して再び前述した内容を思い出した。我々の生活用排水は、明らかに「水の循環」に悪影響をもたらせている。個々の蛇口からは、いつでも困ることなく水が出る。しかし飲料水は、別に様々なコストを要するペットボトルを利用していたりする。手を洗うも衣類の洗濯をするも、風呂で髪や身体を洗うにも容赦なく洗剤類を大量に使用する。その結果、調理関係や身体から排出される油脂成分が徒らに凝固し「水の循環」を阻止する。家の駐車場床面にある排水マンホールの中は、まさに生活排水による堆積・汚染の集約された劣悪な有様であった。しかし、この近代的生活を人間はもはや止めることは難しい。都市生活を離れて宮崎で暮らすようになって、ようやく僕は小学校4年生の頃の自由研究を活用する実感が持てた。自然は次から次へと人間の近代的文明に挑み来る手を緩めようとはしない。人間がいかに汚い存在かがわかる。

過去に経験のない暴風雨「台風10号」
僕らはこの自然と今からでもまた共生できるのだろうか?
油脂汚泥の鼻を突く異臭が人間そのものの汚さを象徴しているのである。


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