過ちを二度と繰り返さないために
2020-08-16
75年目の夏の日に「平和」を当然と思わず
今も暗躍する「過ち」の芽を注意深く拒むために
「国際共同制作ドラマ・太陽の子」が昨日、NHK総合で放映となった。先頃、亡くなられた三浦春馬さんの遺作となり、出征する息子を演じている場面では「二度と会えない母(田中裕子さん)と子の姿」が現実とリアルに二重写しとなり涙が止まらなかった。好演をしていただけに甚だ惜しまれるが、あらためてご冥福を心からお祈りする。おにぎりを持たせ出征を見送る母は、その後に特攻出撃前の息子の手紙を受け取り、喪服で仏壇前で悲しみに暮れる。そんな母子を引き裂く非情なことが75年前に平然と行われていた狂気に、憤りが収まらない。かたや「科学者」としての道を歩む息子(柳楽優弥さん)は、京都帝国大学物理学研究室で新型爆弾の開発のための研究を続ける。だがこの爆弾開発に疑問を持ち出した矢先、広島に原爆が投下される。
「核」の物理学的発見は、人類の「夢のエネルギー」として科学者の誇りであったはずだ。だが時局が世界大戦と重なったことから、人類史上最悪の悲劇となり広島と長崎がそれを負ってしまう。「夢」が戦後も継続したことは、アニメのヒーローが「原子」によって無限の力を持つとされることに顕在化している。しかし「核」は明らかに人間の自然な生活にとって大きな脅威になることを、前世紀も今世紀でも人類は大きな事故として経験してきた。「夢」が人類の「我欲」に憑依してしまい、未だ世界的に「核軍縮」に舵を切れない人類の「過ち」は続いている。被爆国として広島・長崎に命を落とした方々の無念に寄り添うならば、この国は世界でも率先して「核廃絶」へ向けて先導する立場にあるのではないのか?今年も「尊い犠牲者の方々に、敬意と深い哀悼を」という文言が放たれた。一人ひとりの「命」が「尊い」のである。もし「敬意」を払う意志があるなら、再び「過ち」が繰り返されぬように子どもじみた国際的関係性に楔を打つべき「良識」を不言実行すべきではないか。75年という歳月で忘れてしまう反知性の芽を、注意深く拒まなければなるまい。
新型コロナ禍にも露出した各国の「戦後」
この国で生きている僕たちの良識を考えたい
何においても、生きづらい世の中であってはならないのだ。
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