35年前の夏の日と流れ星
2020-08-13
卒論に取り組んでいた夏日航ジャンボ機墜落事故
35年の月日を思い流れ星を見上げる
35年前の夏が深く記憶に刻まれているのは、日航ジャンボ機墜落事故があったからである。ちょうど大学の卒業論文を書き始めていて自室に籠っていると、母が下の階から「大変なことが起きた」と僕を呼んだ。当初は「羽田を離陸した日航機が消息を絶った」と報道され、何がどうなったかが判るまで結構な時間を要した。東京発大阪行、お盆の帰省で満員のジャンボ機、TV報道では航路からいって海上へ向いていればよいが、などという予測がなされていたように記憶するが、むしろ航路から右へ大きく外れて群馬県の山中に墜落したという情報に接するまでが長かった気がする。既にその時には、我々の想像も絶する悲惨な墜落が起きていたとは。
翌朝、東京都内の僕の家の上空を自衛隊の大型双発ヘリが数え切れぬほど、南東から北西へ向けて大きな音を立てて飛び去って行った。その轟音の機体はしばらくするとTV報道の画面に現れ、隊員たちを険しい山の斜面にロープで降下させていた。黒く焼け焦げた山の斜面、次から次へと判明する現実には目を覆うばかりの凄惨さが伴っていた。次に階下の母に呼ばれたのは「生存者がいたらしい!」ということだった。階段を落ちるかのように居間のTVへと僕は向かった。それからしばらくの間、暑い中での報道を日々、ご冥福を祈りながら観続けたあの夏であった。今も飛行機に搭乗する際、直前に搭乗便を変更したりするとこれが「運命」となりやしないか?などと頭をかすめることがある。僕たちがあれから「生きていられる運命」にあることを自覚しつつ、また8月12日を迎えている。
「見上げてごらん夜の星を」
九ちゃんの曲はいつでも僕らの命を考えさせてくれる
そんな思いも込めて「ペルセウス流星群」を宮崎で妻と見上げる夜であった。
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