書店・図書館・街と郊外
2020-07-23
Web販売と街の本屋さんとまちなかと郊外の人の往来
リアルとオンラインといかなる融合を成していくか
子どもの頃からの大きな楽しみは、街の本屋さんに行くことだった。『小学◯年生』などの定期購読本を、母と商店街の買い物がてらに書店で受け取る日がたまらなく楽しみだった。小学校も高学年ぐらいになると少し離れたところに大きな本屋さんがあるのを発見し、その店内ではどこにどんな本があるかを把握するようになった。特にお気に入りのコーナーでは、「この本が売れてしまった」など本屋さんの在庫管理並みに把握していたことなどが思い返される。本屋で参考書を選ぶことは、受験の意志を強くする一歩として大きな動機付けであった。さらに大学生になるにつれ、神保町の古本屋街で自分なりの巡り歩く「コース」ができた。リアル書店の存在は、僕の若かりし頃の成長を大きく支えてくれていた。だが、宮崎に移住してからは市内から居住地が離れていることもあり、Web書店に依存するのが実情だ。研究室で読みたい本があればすぐにスマホから購入することができ、数日以内には確実にメールボックスに届く。もちろん市内に出向けば、リアル書店さんの店内を巡り歩くのであるが。
市内にある大手書店会社の懇意にする方が、本学附属図書館を見学のために来校した。昨年末に県庁文化振興の仲介もあり、書店の閲覧スペースで出前講義を2回やらせていただいた。通常はなぜか高校生などがかなりの人数集って、勉強をしているスペースだ。決して静かでもなく人通りのあるスペースを、なぜ高校生は勉強場所に選ぶのか?たぶん僕の経験の中にもあるような、「学ぶ」動機付けが書店にはあるのだろう。その閲覧スペースを利用したイベントも、現在はコロナ対応で使用ができないと云う。「まちなか文化堂」と名付けて来たるべく「国文祭・芸文祭2020」(来年に延期となったが)を盛り上げる企画を展開したいところだ。実施の可能性は「オンライン」にあり、附属図書館には限られた講演者・出演者・スタッフのみが密を避けて集い、企画内容をオンラインで配信する。大学附属図書館ならば「感染対応ガイドライン」も整備され、遠隔講義を実施している方法も熟知している。次第に市民の方々も大学附属図書館の存在を「利用できる」と知るようになる。書店と図書館が繋がった展開を見せる先例が目立ち始めている昨今、街と郊外という距離を超えて販売と閲覧、企画と公開という線で「本屋さん」と大学が繋がるチャンスであるように思われる。
「本屋さん」で抱く知的興奮
地域の小中高校生にも広く開放して行きたい
郊外である大学キャンパスに人を呼ぶための仕掛けを模索している。
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