生涯一選手ー現役であり続けること
2020-07-15
今もトレーニングに励むイチローさん「生涯一捕手」と言った野村克也さん
いつまでも現役であり続けるためには
今年の2月に亡くなった野村克也さんは、「生涯一捕手」と宣言し監督になっても現役捕手としてマスクを被り選手として試合に出場し続けた。その後、野村さんの弟子のような存在である古田敦也さんが同様のことを試みたが十分に成果が出せず、いかに監督と現役選手の両立は困難であるかが明らかになった。指揮官という立場になれば必然的に「自らは棚に上げて」指摘しなければならない場面も多いだろうが、自ら野球の肝心要の選手として重労働の捕手であり続けたことには、あらためて敬意を表したいと思う。権威を持った監督という上から目線ではなく、常にグランド上にいる意識でチームを率いる意識は、他の分野においても見習うべきことではないだろうか。
あまり報道もされず監督でもないが、シアトル・マリナーズの「アドバイザー」役であるイチローさんもまた、引退した今でもトレーニングを続け現役並みのコンディションを整えているようだ。仲間との草野球で投手を務めたり、日本のアマ野球指導者資格を取得したりとグランド視線での言動が目立つ。名選手でも監督やコーチまたは解説者になると急に肥満化する人もいる中で、真に「野球選手であり続けたい」を有言実行する姿が尊い。その姿勢を見習い、僕なども「生涯現役」であるにはどうあるべきかと考える時がある。「研究者であり教育者である」これは「両立」などという概念ではなく、「相乗効果」があるものと捉えたい。研究の気づきは学生との対話より生ずる場合も多く、学生に教えるためには自らが論文を書いていなければなるまい。小中高校での出張授業の機会も得たいし、研究学会でパネリストや発表者にもなりたい。そして和歌短歌を研究しているのであれば、自らも短歌を紡ぎ出す表現者であることを生活の根幹に据えておきたい。社会や組織に属していると、いつしか自らが真に求めたいことを忘れてしまうこともある。たぶん野村克也さんもイチローさんも、原点たる「自ら野球がしたい」という点でブレはなかったということだろう。
歌に人の心を読み取り人に伝え
学生たちと対話をすることで相互の学びを深める
そして生涯、一首の人の心に響く短歌を創り続けたいと切に思う。
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