バネになる経験ー相手の立場を考えるということ
2020-07-13
「半沢直樹」シリーズ再び「倍返し」の思考やいかに
父と家族の悲劇をバネに生きる銀行マン
放映当時2013年には社会的な流行語になった「倍返し」、ちょうど僕自身は宮崎に赴任した年でTVドラマを観る習慣もなかったので特に気にも留めなかった。しかし俳優の堺雅人さんが主演であって、宮崎のご出身ということで何らかの機会に観てみたいと思っていた。この間に大河ドラマ「真田丸」にはいたく執心し、堺さんの歴史洞察を踏まえた演技の奥深さにも興味を抱くようになって来たこともある。折しも「半沢直樹シリーズ」が再び今月19日から放送される前に、昨日までの2週間にわたり前回作の総集編が放送された。前作は最終回の視聴率がWeb記事に拠ると42.2%という驚異の数字、同じ2013年の紅白歌合戦が44.5%ということで、民法テレビドラマでも歴代3位であるらしい。(ウィキペディアによる)豪華キャストとともに、堺さんの迫真の演技が新作でも楽しみである。
ドラマの銀行マン「半沢直樹」が「倍返し」と言って銀行の不正を暴き、銀行を変えようという執念は、中学生頃の悲惨な経験に発する。金沢で両親が経営していたネジを製造する小さな町工場の経営が苦しくなり融資を受けていた大銀行に引き上げられ、父は工場で首をくくってしまうという家族の悲劇があった。雨の中を土下座して自らの製造したネジの価値を訴え融資継続を銀行員に懇願する父の姿、それを自分だけ傘をさして振り払うように一方的に融資引き上げを宣告する銀行マン。その一部始終を半沢少年は塀の陰から心の底に刻んでいたのだ。その担当銀行マンが銀行本部の上層部までのし上がり暗躍している現実に、銀行マンとなった半沢は毅然と立ち向かっていく。辛い時には、常に父が工場で製造していたネジを手に握りしめている。僕自身も両親が会社経営をしていたこともあり、中高生時代にその苦労を見てきただけに、半沢の「倍返し」執念へは体験的な共感を覚える。ただ僕の場合いつも母が信金などとの交渉を上手く成立させたゆえに、僕自身は思い通りに育つことができた。「このドラマはフィクション」であるのは大前提であるが、中小零細企業の立場や経営の苦しさを微塵もわからない巨大企業という図式は今もこの社会に蔓延しているのではないか。社会を支える根本に「一本のネジ」があることを、どんな立場でも理解できる人でありたい。
眼と表情で語れる堺雅人さん
新シリーズを楽しみにしたい
自らを動かす原点たる経験を思い出しつつ。
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