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歌に救われる心

2020-07-08
「愛しい人へ捧ぐ歌」(桑田佳祐作詞・作曲)
「今、悲しみ去って空が晴れてく またひとりで立って歩き出そうよ」
歌を聴き歌を口ずさみ救われる心がある

基礎教育科目「日本の恋歌ー和歌短歌と歌謡曲」で実施している学生課題の内容から、担当者として学ぶものが濃厚である。前回の課題から新聞コラムに類して「会社報」「学級通信」「病院だより」「地域だより」「新聞投稿」などに模した主張・論説を講義で扱う短歌や歌謡曲を挿入するかモチーフにして執筆するものだ。全学部の学生たちが受講するこの科目で、個々の学部での資質を活かした内容も多い。だが、短歌や楽曲への愛好度が増して、自らの将来の志望を変更しようとする内容などもあり興味深い。例えば、理系の学部に在籍している学生が「短歌が教えられる国語教師」であることを想定して子供たち向けに「学級通信」を模して書いた内容が秀逸で眼を惹いた。あらためて中高生時代にこそ、豊かに文学と出逢う機会が重要であると痛感もする。

また講義で扱った桑田佳祐さんの楽曲によって、過去に精神的に救われたという実体験に基づく内容もあって深く心が揺さぶられた。3.11に始まったことではないが自然災害によって失われる命があり、遺された者は世の無常を悟りつつ悲しみと苦しみの中から立ち上がり再び歩み始める。身近な者のあまりに突然の死に接し、心は耐え難き悲痛な渦中に迷い込む。そう簡単に受け入れられるものではないが、生きる者はことばを受け入れ、また自らことばを発することであまりに理不尽な状況に向き合っていく。そんな際に聴くべき音楽や表現すべき短歌があることは、大きな心の支えになる。冒頭に記した「愛しい人へ捧ぐ歌」には、そんな人の心を再生させる大きな力があることを学生の課題に教わった。音楽の力・ことばの力、楽曲と短歌の共通性なども見えて来る。遠隔講義から生まれた「ラジオ投稿式課題」、秀作を紹介して学生同士の中でも対話的に心が通い合って来たような気がしている。

現在も続く九州地方の豪雨水害
いつも当事者意識を持って今日を生きる
七夕の夜に妻と深く命について考えている。


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