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振り向けば道がある

2020-06-24
「波音に消えた恋 悔やむことも人生さ
 立ち止まることもいい 振り向けば道がある」
(桑田佳祐『君への手紙』より)

人生を考えられる歌がある、『君への手紙』はまさにそんな一曲だ。アコースティックギター基調の曲に収められた素朴な歌詞は、僕たちに「生き方」の様々な機微を回想させてくれる。基礎教育科目の担当講義「日本の恋歌ー和歌短歌と歌謡曲」を遠隔講義で開講して、ほぼ前期の折り返し点まで来た。動画は敢えて使用せず、ラジオDJ方式の音声と資料による遠隔講義方法を採った。ここ数回は課題を「君への手紙」と題して、短歌や曲を素材に登場人物や歌人(作者)に手紙を書くことを実践した。さらに今回は担当の僕に手紙を書き質問も施して、DJ方式の講義内容を盛り上げる内容とした。学生は概ねこの遠隔講義を楽しみにしている趣が手紙の文面から伝わってきた。さらには自身の恋愛やこれまでの人生と、正面から向き合っているような姿勢が読み取れるものが多かった。

「手紙」は単に相手に伝える事務的な役割があるのみではない。書き手自身の心情を揺さぶりその生き方を考えさせてくれる。これは短歌にも通じるものでメッセージ性があるということは、読み手の中に創造的な意味を生成させるほどの言葉による斬り込みがある短歌と言えるであろう。桑田佳祐さんの名曲『君への手紙』もまた同じ、素朴な曲調と歌詞は深く各自の人生に沈着する。学生にもDJで語り掛けたが、高校や大学(現在)にどれほどの「波音に消えた恋」があるだろうか。もしその恋が成就していたら?そんなとりとめもない後悔を持つこともまた人生である。仕事もまた同じ、もし僕がアナウンサーになっていたら今頃はどうしているだろう?中高教員をせずに学部卒後に直接に研究者を目指していたら?いくつもの人生の岐路で「立ち止まる」ことも辞さず、苦悩のどん底も味わいつつ考えを沈着させた結果、僕は今此処で学生たちと「恋歌」についての対話を続けている。「振り向けば道がある」そう!この「道」こそ僕にしか歩めないもの、今は宮崎で「君への手紙」に託す。

「君と僕は同じ空の青さに
 魅せられながら生きている」
宮崎でのこんな講義と今の生活が人生最高の「道」である。


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