世代を超えて訴える人と「頭の悪い政治家」
2020-06-04
「いまここで命を賭して戦う!」「いや!10年後もまた起こる」
「16歳のお前!社会を変える方法を考えろ!」
出勤が遅番で朝のワイドショーを観ていた妻からメッセージがあり、米国のデモの最中に世代を超えて置かれた状況を訴え合う人々の映像を観て涙が出たと云う。昼休みにTwitterを見ると、それらしき投稿を発見して僕自身もその切実さに涙が出た。「ここで死んだっていい!いまここで声を上げて戦うんだ」と叫ぶ45歳。だが31歳の男は「俺たちの時代では何も変わらなかった!10年後に同じことが起こる。こんなやり方では何も変わらないんだ!」と訴えて、16歳の少年に詰め寄り「お前たちの世代でやり方を考えろ!」と叫ぶ。ロス暴動から28年の時が過ぎ、米国はオバマ政権の時代を経てもなお人種差別に起因する民主化デモが暴動となり、さらには略奪等にまで及び今回はコロナ禍のストレスまでが一要因となり厳しい状況が続いている。
内田樹氏のTwitterにこう述べられていた。「まず誰でもいいから敵を作って、そこに憎しみを向けることで支持層を固めるのは世界中の『頭の悪い政治家』に共通する手法ですが」と云う。さらには「国益より自己保身を優先させた大統領」として「米国史上例外」であると批判している。このような構造主義的な理解をすれば、この手の政治家がいづこにもいることに容易に気づく。「敵を作る」際にはメディアを存分に活用し、所謂「印象操作」などには長けている。考えてみれば、幼い頃に同様の手法でクラス内で幅を効かせていた奴らがいたことを誰しもが思い出すだろう。「知的」であることの方が「悪」のように見なし自らが学ぶことを怠り、より深く学ぶ姿勢を批判し「敵」とすることで、自らの保身にのみ躍起になる。世界がこのような愚劣な発想に席巻される21世紀とは何なのだろうか?世界に影響力の大きな米国の行方は、追従するこの国の将来の問題であることを、僕たちは「知的」に肝に銘じるべきだ。
分断を利用する政治
訴え合う一人ひとりの悲痛な叫び
平和は僕たち個々の日常から創るしかないのである。
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