暴力は暴力しか生まないー米国を憂える
2020-06-03
警官による強権的な拘束死亡してしまった男性の弟さんの叫び
「暴力はやめろ!兄は決して帰らない」
米国30都市に及ぶというデモとエスカレートした暴動・略奪等のニュースを観て、涙が出るほどに悲しくなった。ある黒人男性の拘束に際し、警官が膝で首を強引に押さえつけて呼吸困難になった男性は病院に搬送されたが命を落としたと云う。抵抗が過剰であるはずもなく、武器も所持していなかった男性をなぜ警官はここまで強権的に押さえつけたのか?と不思議に思うのは一面的な捉え方で、米国では今でも人種差別的な強権的な取り締まりや拘束は後を絶たないのが現実であると、ある米国の有名な俳優のTwitter投稿は訴えていた。「これがアメリカだ!」とされたその投稿の動画には、眼を背けたくなるような、あまり抵抗もしない人々に警官が暴力を浴びせる場面がいくつも映し出されていた。
この事態に及び米国大統領も「力づくで押さえ込む」策のみである。州兵の派遣も辞さない構えであり、さらなる強大な武力で民衆を押さえ込もうとしている。暴力を暴力で上塗りして行こうとするようなこの政策で、事態が収拾するとは到底思えない。民衆のさらなる抵抗が続けば、米国版「天安門事件」になりかねない事態を深く憂える。国際情勢の上でも米中は相互に非難し合うのだが、相互に民衆の反発(中国は香港の民衆運動を)を力で押さえ込もうとしている。いずれの図式でも暴力は暴力しか生み出さず、相互の国の民衆たちの幸福は遠のき、さらには国際情勢の緊張感が高まる最悪な方向を招きかねない。米中の子どもじみた喧嘩と国内情勢の渦中で、親米甚だしき日本として何かできないのだろうか?よもや「米国大統領支持」などあり得まい。韓国や豪州、さらには独国・英国などと手を携えて、米中両国の僕らのような民衆のためにも、暴力的な指導者の方向性に歯止めをかけるのが役目ではないのだろうか。
コロナ禍の中のさらなる人災
世界に拡がるイライラをいかに鎮めるか
文学を研究する者として聲とことばの力を信じていたい。
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