ピンチはチャンスー霊長類ヒトとして
2020-05-26
「人類はいくつものピンチを乗り越えてきた」人類・霊長類学者である京都大学総長・山極寿一先生の弁
「人間らしきものが奪われた」いま・・・・・
地元紙・宮崎日日新聞には月1回の俵万智さんの連載「海のあお通信」が掲載。「トランプの絵札のように集まって我ら画面に密を楽しむ」という歌を添え、「オンライン歌会」に参加した旨が記されていた。文の結びには、「アフターコロナの地方のあり方は、この経験をプラスに生かしたいものだ。」とあり「わざわざ東京に行かなくても、可能なことは意外と多い。」とされていた。さすがは「全肯定」の歌が特長とも言える俵さん、この期にも粋な歌と前向きな提言はさすがである。僕自身も日曜日にZOOM(Web会議システム)を利用した「オンライン学会」に参加して、通常は土日を関東か関西まで出張しているところを、自宅で学会シンポに参加できたのは収穫であると思った。疲労もなく限られた予算も節約でき、家族から離れない週末が得られた。都市圏ではない地方大学の教員として、研究学会へ赴くのは様々な意味で負担であったのも事実である。
夜のニュースで京都大学総長・山極先生がインタビューにて冒頭に記したような趣旨の発言をしていた。新型コロナ禍で「人間らしきものが奪われ」たのだが、この「ピンチもまたチャンス」であり、必ずヒトはこの災禍を「乗り越えると信じている」と云う。人類や霊長類の研究者として著書も多い山極先生、考えようによっては「ピンチ」を乗り越えるのが「ヒト」の宿命的な歴史であるのかもしれない。今回のコロナ禍は、人類史に刻まれるのは確かであろうが、それほど特別な「歴史」ではなく、人類が数多く直面してきた「乗り越えるべき試練」の一つに過ぎないのではないかと考えさせられた。Webそのものの存在においても、我々は「人間らしきものが失われる」と警戒する面も否めない。携帯・スマホが普及しても、日本の学校(小中高において)で持込や使用が禁止されて来たのは、このような理由もあるだろう。霊長類として「火」を使用できるようになったヒトが、獣から身を護れるようになり集団による組織力で「社会」が形成できるようになった。”Web”を21世紀の「火」として、僕たちは新たな可能性を獲得できるチャンスに遭遇したということだろう。
新たな地方での生き方に光が
Webを存分に活用した教育へ向かうために
人生100年時代、今の子どもらは既に22世紀まで生きるのだから。
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