『もうイライラしない!怒らない脳』茂木健一郎著(徳間書店)
2020-04-27
「怒らない脳」にするためにイライラが募るこの世情にあって
急遽電子書籍を購入し一気に読破
もう2ヶ月以上に及ぶだろうか、今まで以上にストレスの多い世の中を僕らは生き抜かねばならなくなった。様々な報道によれば、「家にいよう」と云う施策によって家族内での暴力が深刻な問題となっており、減収や解雇によって先行きの見えない不安が社会全体に蔓延している。マスクの極端な品薄によって販売店の店頭で無用な諍いが生じたり、新型コロナ感染を公言した自暴自棄な行為や狂言的な行為まで、報道では目立つものだけが取り沙汰されるが、巷間での「イライラ」は膨大なものがあるように思う。何を責めてよいかもわからず、その上で社会生活をするだけで感染リスクの恐怖に曝されるという、実に「怒り」を生みやすい環境となってしまった。それがほぼ世界で例外なく蔓延してしまっているわけである。
かく云う僕もこのように小欄に考えや思いを言説化することで、少しは精神衛生を保とうとしている。しかし、「今まで」であったら通用していたものが、ほとんど全て通用しなくなった大学内で今後の方策に対応するにあたり、計り知れない「イライラ」を抱えているのも事実である。休日になってもそれは脳内から離れず、身体的に影響を及ぼすのではないかと思うほどである。そんな「自身」を「メタ」に客観的分析を施した結果、急遽本日の標題とした電子書籍を購入して一気に読み切った。その内容は、これまでも自らが「生活の知恵」のように日常から体得し既に実践しているものも多かった。例えば、「朝早く起きる」のもその一つに茂木氏は挙げている。「怒らない脳」にしないと、仕事にも趣味にも集中できないと云う。いやむしろ集中できるものがあれば、「怒らない」ようになると言えるのかもしれない。今月の新刊、「イライラ」が募る方にはぜひご一読いただきたい一冊である。
愚かなる「怒り」の言動
自らの言動は相手に映し出される
丁寧に謙虚に前向きに生きてこそ人間の「脳」であろう。
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