サイトカインストームの恐怖
2020-04-03
活性している免疫力が自らを壊す若い人々が重症化する一要因かと
まだまだわからないことだらけのウイルスに
「若い人でも感染し重症化もする」最近の全世界の症例から、このような見解が妥当であると判ってきたように思う。当初は「高齢で基礎疾患がある人々が重症化する」と報じられていたが、人類はまだこのウイルスのことを微塵も判っていないと思っていた方がよさようだ。いつの世もそうであるが、流言が固定観念となることが原因で災いが災いを生むような連鎖が生じるのが恐ろしい。現にこの国では「若い人」の罹患率が上昇傾向にあり、この2月3月における大学生の海外渡航から帰国後の集団感染を引き起こす事例に危うさを覚えている。ここのところ関東関西の都市圏での感染拡大は、明らかに活動力のある「若者」こそが危険な要因ではないのか。
あるTV番組に研究者や現場の医師が出演しており、「サイトカインストーム」という感染症における細胞内の免疫反応のことを知った。その解説からまったく専門性のない素人である僕が理解した範囲で記すので、決して鵜呑みにしないでいただきたいことを事前にお断りしておく。体内にウイルスが入り込むと、自らの免疫系統(どうやら二種類の系統があるらしい)が攻撃に出る。そこで生じるのが「発熱」などの症状ということ。現況で薬の開発されていない新型コロナの場合は、罹患者が自らの免疫力でウイルスに打ち勝つしか回復の道はない。そこで免疫力の高い「若い人」においては、免疫系統から大量の攻撃をする物質が分泌され、ウイルスのみならず自らの身体をも傷つけてしまうらしい。ゆえに「若い」とか「免疫力が高い」という過信は、むしろ命取りになる可能性も大きいようだ。NYの医師などが「若くて基礎疾患がなくとも」と言った趣旨の切実な報告をしているが、あらゆる世代の人々がこのウイルスに対しては、誠実な防御をしていかねばならないはずである。
身から出た錆
細胞や免疫を考えるに「人間」は自ら己を滅ぼす。
やはり「賢明なる悲観主義者」であるべきだ。
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