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笑いは涙の裏側で

2020-04-01
作り込んだ芸であるのに
台本がないように見える
いつ見ても笑えるがさすがに涙

志村けんさんの訃報から一夜が明けた。休日出勤の代休をいただいていたこの日、TVでは昼間のワイドショー系の番組で、往年のコントの映像がたくさん流された。中でも「ヒゲダンス」は僕自身が大好きなこともあって、思わずそのアクロバット的大道芸の面白さに声を上げて笑ってしまった。しかし、映像が終わるとこらえきれない涙がこみ上げる。その芸は既に、映像のみの世界のものとなってしまったのだ。番組の中では志村さんの足跡について、「いつ見ても笑えるのが本当のコントである」といった趣旨の信念を持っていたことが紹介されていた。時代や場所、そして年代も問わず、まさに自らが逝去したこの折にも、僕らが「笑う」ことでその「真の芸道」を受け止めてこそ、志村さんも浮かばれるということになるだろう。

「笑い」への徹底したこだわり、繊細に作り込んだコントであるのに、台本などないように見える。身体の動きや台詞の自然な吐き出し、語句の倒置的で微細な文体や語彙選択に至るまで、そのコントで僕らが笑いに引き込まれるのは、相当な「プロ意識」の元に作り込まれていたことが知られる。こう考えると、実はその芸道の裏側でかなりの努力をするうちに苦痛や深い孤独を感じていたのではないかと想像してしまう。報道に拠れば、個人的日常生活では寡黙であったとも。志村さんの笑いをこうして分析するうちに、人間の「笑い」は「悲哀」と裏腹であるなどと考えてしまうのだが。

伝わるスピーチ・伝わる講義も
あらためて志村さんから学ぶものを見つめる
僕たちはこの時代を如何に生きていくか。


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