真に役にたつ学びとは
2020-02-27
欲しい時に欲しいものが手に入る調べ考え行動し表わして交わる段階が
人として生きることに役立つとは?
小中高校の学びは、生きていく上でいかに「役に立つ」のだろうか?単に「国語の学び」を考えてみても、「ことばの力」こそが思考を創り自らが表現し他者と交流する「人間としての生きるための営為」に大きく貢献する。ただ「生活に役立つ」ことと、「生きるために役立つ」ことは同じようで大きく異なり、後者は学習者の中で即効性を持って理解されるものではない。「生きるため」と考えると、学習者が6・3・3の学びを修める高校卒業時点では、何が役に立って何が役に立たないかも十分に把握できるだけの経験がない。ならば、あらゆる可能性を考えての学びを創っておく必要がある。このように考えると、やはり「国語」においては「言語技術」のみを扱うのでは十分ではないことが明らかになる。
何か欲しい食べ物があった際に、いつでもどこでもコンビニで買えることが「役にたつ」ということではない。では果たして、その食べ物は本当に当事者の「生きる」ことの為になるのだろうか?原材料の産地や質感から十分に吟味して、いかなる調理法でいかなる美味しさを引き出すか?料理は達成感を即時的に味わえる営為と言われるが、「コンビニ買い」をすることでその「生きる」姿勢は失われる。最近の学生たちと接していると、コンビニ買い的な短絡的な発想によく出会う。根拠のないWeb上の情報を即座に信用してしまい、自らの学びに直結させてしまう。「検索」しただけで「調べた」気になっている危うさ。少なくとも大学という学びの場は、そんな安直さから解放し本来あるべき「生きる」学びに導く場であると大学教員としての強い信念を持ちたいと思う。
生きることは学ぶこと
学ぶことは疑うこと
安易な情報で右往左往しないためにも。
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