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短歌であそぼう!ー短歌と演劇

2020-02-16
役者さんらの「原作短歌」演技
自らも演じて校内を巡り心と言葉を探す
“Play”=「遊ぶ」ことこそ主体的学び

ある県立高等学校の土曜講座を担当させていただくことになり、朝から当該校へ赴いた。昨夏も同校の夏季研修の場にお邪魔し、「短歌批評合戦」を展開した高校1年生が対象である。今回は県内の劇団関係者の役者の方2名の参加もあって、「演劇」と短歌をいかにコラボするかも大きな課題であった。懇意にする劇団主宰者がよく口にするのが、「演劇」=”Play”=「遊ぶ」ということである。もとより虚構の作品を自らの解釈で現実に再現していくのが「演技」であるが、原作を小説などではなく「短歌」にしてみる試みは実に可能性に満ちたものだ。1コマ目は『サラダ記念日』から恋が読める歌を10数首選び「原作」とし、まずは役者さんが2首選択しての即興模範演技。それを観た高校生が短歌を読み取り「原作」を当てるということからスタート。その後、4人1班で同じように短歌1〜2首を選び、生徒さんらが寸劇を創作した。役者さんが驚く演技もあって、発表は実に盛り上がった。今回の発見は原作の「短歌」を1首でも複数の組み合わせでも、原作とすることを可能にしたことだ。

2コマ目は、まず「校内短歌ピクニック」へ。画板にメモを持参し校内を15分間自由に巡り歩く。テーマ詠「恋」とし、場面や心の素材を拾い歩く。元の体育館へ戻り集めた素材を三十一文字の形式へ流し込む。特に「恋」そのものは役者さんが演じてわかるように「虚構の心」でもよく、人前に公表しても恥ずかしくないという意識を持たせるよう配慮した。それぞれの活動を10分程度に限定し、あくまで「遊び」を強調することも心掛けた。時間をかければ上手くできるというのも、大人の甘い幻想なのである。教室に戻り出来上がった短歌を投歌用紙に記入し、無記名で提出しそれをシャッフルして4人一班へと戻す。その4首について10分間で解釈・批評し1首を選歌する。10班からクラスの代表歌10首が提出され、それぞれに批評や推敲案などを発表する授業歌会が活発に展開した。最後の作者発表の場面は、自ずと大盛り上がりであった。締め括りに代表歌を原作として、2人の役者さんが見事な演技を披露してくれた。即興の演技であるが、会話のリアルさや「この教室がなくなるみたい」という台詞に、僕自身も思わず涙腺が緩む場面もあった。かくして、高校1年生40名が「短歌であそぶ」土曜講座を終えた。

「短歌と演劇」は引き続き活用したいコラボ
リアルな手触り感ある作品も多かった
この中から今夏「牧水短歌甲子園」に出場する選手が出ることを期待している。


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