国際救助隊秘密基地発進メカ
2020-02-05
「5・4・3・2・1(噴射音)サンダーバード!」幼少の頃、プラモデルを無理に買った記憶
「国際救助隊」は現在という「未来」にもまだ成されておらず
まだ幼稚園の頃であろうか、サンダーバード基地のプラモデルをどうしても欲しくなってクリスマスプレゼントか何かで買ってもらったことがある。(もちろん当時はサンタさんからもらったと信じていたが)買ってはみたものの、自力でそのプラモデルを作れるはずもなく、ほとんどを母が組み立ててくれた記憶が鮮明に残っている。1親族しか住んでいない南海の孤島に「国際救助隊」のメカが隠された秘密基地があり、世界のどこでも災害・事故があれば緊急ですぐに駆けつけ人命救助を確実に遂行する。「サンダーバード」と呼ばれる救助隊のメカは、島にあるリゾート的な邸宅の内部に隠され、プライベートプールが横にスライドしたり、岩場の斜面が開閉し左右の椰子の樹が倒れたりするという秘密のカモフラージュが「発進ルーティン」によって実に格好よいアクションの特撮映像で僕ら子どもの夢を膨らませた。プラモデルはバネ仕掛けでロケット状の各号が飛び出したりしたが、あまりにも精巧であったために部品が折れてしまったりしたものの、テレビで観る映像の再現を想像を交えながら楽しんでいた記憶が未だ鮮明である。
最近、毎号を買い続けるとサンダーバード秘密基地のジオラマができるというキット付き雑誌の宣伝広告が喧しい。思わずそのCMに魅了され、YouTubeの映像などに誘導されて久しぶりにテーマ曲に乗った「発進メカ」の映像を観た。(正直、時間などの問題で買う気は毛頭ないのだが)この時代に観たとしても特撮映像は精巧で、現在はこれほどに手間暇を掛けた映像制作はあり得るかなどとさえ思う。なぜ「操り人形」という方法を採用したのか?メカの発想はどんな要素から編み出されたのか?などという問題意識とともに、「国際救助隊」という必要不可欠な科学の力の善用という発想の豊かさを改めて知るのである。問題は世界に貢献する家族集団が、なぜ孤島の秘密基地に隠れて存在しなければならなかったかである。人命救助第一などというのは、常に国家や社会の大義であるはずだ。当時からすれば理想であったはずの未来たる「現在」、未だ「国際救助隊」は存在しない。世界で災害が起きるたびに「サンダーバード」がいれば、と思うことしばしばである。科学の発展を「人命を奪い合う」ことにばかり費やしている未来、「サンダーバード」を発想・制作した人々が見たら幻滅する世界の現状を憂えるばかりである。
攻撃能力などない国際救助隊
善行は秘密基地に潜伏しなければならないという皮肉
「サンダーバードマーチ」が記憶とともに脳内を流れる日々である。
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