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いつもおでんがそこに

2020-01-15
「お田楽(おでんがく)」から「楽」が取れて
幼少の頃から「おでん種」屋さんへ
冬にはいつもそこに

おでんが大好きだ。久しぶりに鍋の中に具材が溢れるほどに、妻が煮込んでくれて嬉しくなった。「おでん」の名の由来は、冒頭に記したように「お田楽」から「楽」が脱落したもので、江戸時代は味噌を焼豆腐に塗りつける「田楽」のことを指した。現在のように醤油味のだし汁で様々な具材を煮込んだものは、明治以降の産物であるらしい。関西ではむしろ「関東煮(かんとうだき)」と呼ばれ、関西で鶏の出汁に下煮をした種を入れたきれいな料理となって、関東に逆輸入されたものらしい。(『日本大百科全書(ニッポニカ)』による)その「おでん」については、幼少の頃からいくつかの思い出がある。昔は裏路地で近所の子どもたちと遊んでいたが、そこへ「おでん屋台」を引いたおじさんが来るのである。子どもらは一旦遊ぶのをやめて、おでん屋台のタイヤ周辺の枠組みに足を掛けて登り、煮込まれている四角い鍋の中を覗き込んだ。ズボンのポケットから10円玉などを出して、「野菜ボール」などを1串買うのである。あの「おじさん」の顔は今も忘れない。

生まれ育った街の中で、僕の生家は比較的東側に位置したが、西側に「田端銀座」と称する商店街があった。そこに「おでん種」を専門で直売する店があった。(調べるとどうやら今も営業しているようだ)「田端銀座」に母と妹と買い物に行くときは特別感があって、冷蔵ショーケース内のおでん種を選ぶときは格別な気分であった。なぜかその「田端銀座」の入口付近の露店で餃子を売る店があって、「おでん」と「餃子」はその日の夕飯の特別なセットであった。さらに言うならば、家の近所にはない玩具を売る大きなスーパーが「銀座」にはあって、毎回そこに行けるのも楽しみであった。「おでん」とは不思議な縁であるが、大人になって一人暮らしをした際にも、近くになぜか「おでん種屋さん」を発見した。特に冬になると常連となり、おばさんとは顔馴染みであった。宮崎に移住してからも1度、宅配で配送さえしてもらったことがある。しかしWeb情報によると、その店はこの3月に閉業すると知った。何とか3月までに1度はと思っている。

煮込まれた大根・じゃがいもの美味しさ
色のついたゆで玉子に厚揚げ
やはり宮崎でも家で煮込み、懇意にする街の店の「おでん」がそこに。


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