移動の先の待つこと
2019-12-23
離陸後の上昇中に「トイレ」」と泣き叫ぶ女の子仕方ないとは思いつつ、トイレを我慢する辛さを思う
移動の先にある「待つ」こと
明治時代から制定された学校制度に、あらゆる子どもたちを適応させるための最初の施策が「排便の定時化」であると聞いたことがある。「授業」を受けるためには、一定時間(現在では45分か50分程度)はトイレに行かずとも過ごす身体が必要となる。個々の人々の発達の中にも「近代化」があるとすれば、就学前教育の中で「排便」の訓練が行われるのが一般であろう。僕自身も幼稚園時代の記憶を辿ると、引っ込み思案がために辛い経験が幾度となくある。昨日、私用があって東京へと向かう途次、離陸してベルトサインが消えない航空機内で幼い女の子が母親に連れられてトイレに向かおうとしたが、もちろん客室乗務員に制止された。女の子は「トイレ!」と大声で泣きながら自分の席に引き返した。その女の子の辛さを思いつつも、「待つ」身体を希求する近代とは何か?などと考えてしまった。
東京では何人もの友人・知人が待っていてくれる。そして宮崎の様子などを尋ねてくれ、彼らの多くが宮崎に来たいと云う。今回の「まちなか文化堂」で実施したセミナーで扱った楽曲(X’mas song)の録画映像などを、僕に観せようと準備し待っていてくれた親友がいた。僕の服の好みを十分にわかっていて過去に取り揃えた物も頭に入れつつ、選択肢を用意してくれる店長の僕を待つ思いもありがたい。親友の落語家と応援している人々が、下町の上品な料理を出す店での粋な集いを待っていた。どうやらこの日の有馬記念の馬券を待っていたのだという話題もまた、貴重な社会勉強になった。やむを得ない私用での上京となったが、宮崎の日向市では「マスターズ短歌甲子園」(高校生ではなく一般参加の大会)が開催されていて、本来ならば顧問をする短歌会の学生や卒業生の奮戦を観たいという強い葛藤の渦の中での上京でもあった。しかし、学生たちからは「優勝しました!」の連絡があり、待ち望んでいた吉報に感慨も一入であった。
X’mas前の雑踏にプレゼントを狩る人々
この人口密度の過剰さを怖れない強気の人々
仕事は宮崎に惜きつつ誠に重要な私用をこなす使命を待っている。
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