大学生の「性」について短歌で
2019-11-22
短歌によむ恋と性愛全国的に頻発する性暴力被害などに対し
告白や恋愛に突き進まない世代の課題として
今に始まったことではないが、大学生の年代における性暴力の被害は後を絶たない。計画的にアルコールや睡眠剤を使用した悪質な犯罪的行為として、集団で行われてしまうケースなどが報道されている。そうした際に使用される「性的同意」という語彙の立証しづらさと卑怯さ、被害を被害として公に晒したくないという思いから被害を受けた側が泣き寝入りとなるケースもある。こうした社会的問題の根本に、若者の「恋愛」「性愛」に対する向き合い方の変質があるようにも思う。対人関係そのものを忌避する傾向の中で、傷つきたくないことから恋愛に踏み込まない。その結果、生涯未婚率も上昇しており少子化社会に拍車をかけている。果たして若者にとっての健全な「恋愛」「性愛」とはどのように考えたらよいのだろうか。
学内で前述のような問題意識から、安全衛生センターの医師らを中心に啓発シンポジウムが計画された。なぜかそのパネリストを、仰せつかることになった。どうやら学士力発展科目「日本の恋歌ー和歌短歌と歌謡曲」の担当であることなどから、起用が決まったらしい。あらためて考えてみると、和歌短歌の歴史はそのまま「恋歌」の歴史と置き換えてもよいだろう。『万葉集』の相聞歌からして、自らの恋心を相手に訴えるためのツールとして「歌」が社会的に展開してきたと言える。講義でテキストにしている『あなたと読む恋の歌百首』(俵万智著 文春文庫)にも、「性愛」を詠んだ歌は多く取り上げられており、様々な時代において「性愛」が人にとって大きなテーマなのだと分かる。さてシンポジウムは、どんな展開になるか?医師たちとの打ち合わせを終えて、今から楽しみものになりそうな予感がする。
12月17日(火)16:30〜18:10
宮崎大学農学部206教室
対象は学生・教職員 安全衛生センター主催 メンタルヘルス講演会
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