留学生に短歌「たのしみは」
2019-11-06
好きな食べ物を挙げる「・・・ような」「・・・みたいな」を考える
「だれと」「どこで」「いつ」を具体的に
留学生を対象とした「日本事情」の講義担当2回目。オムニバス形式(複数担当者)のため、僕に与えられたのはこの2回のみ。前回の「声に出して読む短歌」で『まんようしゅう』「わかやまぼくすい」「たわらまち」などの歌で短歌の響きを十分に体感してもらったが、この日もその復習から。「そらのあおうみのあお」などは、教室から秋晴れの空や遥か日向灘を眺めながらの朗詠で留学生にもイメージが湧いたようだ。さてこの日の講義の目標は、短歌を一首創作すること。当初は留学生たちも不安な顔をしていたが、講義後のコメントシートには短歌を創った満足感が多く綴られていた。何事も「一歩ずつ」段階を経れば、学びは着実に進むものである。
留学生たちの創作の段階は以下のようである。まず4音か5音の「食べ物」を挙げていく。「チョコレート」では、「チョ」は「ョ」を含めて「一字分」、「レート」は「ー」も数えて「三字分」と例示しておく。挙げた「食べ物」が他のものでは何に見えるかと「・・・ような」「・・・みたいな」の「・・・」を含む7音部分を考える。まずはここまでで、素材と核となる比喩ができる。その後、「だれと」「どこで」「いつ」その食べ物を「食べたか・買ったか」を考えて、14音程度の下の句を考える。いずれも具体的な方がよく、「きみ」「おとうさん」や友人などの名前などでもよい。これができたら橘曙覧の「たのしみは」(独楽吟)に倣い、初句にこれを据えて三十一文字の形式に流し込む。実際の作品は留学生個人のものなので掲載を控えるが、少々の助言で実に面白い短歌が多数出揃った。
きまりは特になし
「三十一文字」の形式だけ
日本語に親しむ大きな経験として刻まれればよし
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