左右均等の幻想
2019-10-31
右足に偏って体重がかかる足裏も均等ではなく偏りがあり
あくまで左右均等と思っているのは幻想
靴を履く感触のことを考えてみよう。どちらか一方から必ず履く癖があり、足を靴に入れる感触は左右で違うのではないだろうか。踵部分の靴の減り具合にも左右差は顕然としていて、靴の中の指の感覚や紐の結び具合までが大変に異なることを僕らは「均等」だと思い込もうとしているのではないか。手足の長さも然り、パーソナルトレーニング時に両足の左右差をトレーナーの方がチェックしてくれるが、大抵は左足の方が些か長いということが多い。左右の足の体重の掛け方が明らかになる動作を器具を使って試してみたが、やはり右足に偏って体重を乗せていることが多いようだ。その結果、右足は股関節や膝関節が詰まり気味となり、少し縮んでいるのだと云う。
腰・膝・肩などの関節に痛みが出るのは、その部分というよりはこうした全身の均衡が崩れている要因が大きいと云う。体重が掛かりすぎてねじ込まれた関節は、揺すって緩めてやると訳なく回復する。柔軟性は筋肉のみならず、関節についても無視できない。この国の場合は、特に横並び的思考から「左右均等」の幻想に取り憑かれているようにも思う。その癖、箸ひとつをとっても明らかな左右不均衡な動作を日常的に要求される。真偽のほどはわからないが、野球のスイッチヒッター(左右の打席どちらでも打てる打者)が育ちにくいのは、箸の文化と欧米のナイフとフォークの文化の差だと云う話を聞いたことがある。野球の球場について、米国は左右不均衡が常識だが日本はほとんどが均衡を保って設計されている。左右が能動的にこなせる文化のうちに、物理的形状は不均等を希求することの矛盾にも、何か考えるヒントがあるのかもしれない。
生活で詰まっている身体
筋肉や関節を解きほぐせ
トレーニングも新たな次元へと進んでいる。
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