いざや、みやざき宵まつり
2019-10-14
「舞いを照らすは月明かり」県庁の中庭を舞台に神楽と朗読のコラボ
満月に照らされながら、国民文化祭・障害者芸術祭一年前イベント
台風19号で被災した方々には、心から哀悼の意を表しまたお見舞い申し上げます。
宮崎はすっかり秋の気配が漂う空気、夕刻から冒頭に記したイベントに参加すべく、県庁へと向かった。来年のこの時期から、宮崎県内を舞台に文化の祭典が開催される。僕自身も短歌に関して県庁の方と様々な企画について相談しているところであるが、一年前イベントとしてこの日の空気にも存分に触れておきたかった。第1部の途中から会場に入ったが、吹奏楽やこども落語の健気な姿を観ていると、生活の素朴さの中にこそ「文化」があることに気づかされる。この企画には宮崎大学短歌会のメンバーも3名が県からの依頼を受けて参加し、「吟行」ならぬその内容を素材に歌に詠むという命題が与えられていた。歌を詠んだ素材の写真も添付するとあって、取材の仕方・方法において、むしろ難しい「題」であったようだ。静止画や短い動画であれば、むしろ「俳句」的に切り取り方になる。「心の揺れ」が要となる短歌が、「一枚の写真」とコラボすることの難しさであろう。
第2部は秋の夕暮れ後、まずは「青島臼太鼓踊り」の披露。飫肥藩に由来するその勇壮な踊りと太鼓や鉦の音色で、「まつり」ムードは上昇してきた。そしていよいよこの日の目玉、「高千穂の夜神楽と宵語り」の共演である。これまでに神楽は何回か観たことがあるが、満月の宵にこの環境で観るのは、新たな感慨があった。さらに宮崎では朗読について当初から様々に交流してきた、薗田潤子さん・前田晶子さんらによる宵語りが、『古事記』の一節を現代でも耳で聴いてわかるようなアレンジで月明かりの中を語った。神楽はもとよりこうした芸術文化表現は、やはり生声生音でなければ真の心の響きには至らないことを再確認。次第に東の空に満月が顔を覗かせ、みやざきの「人」としての営為を優しく照らし出した。
神楽のゆったりとした時間
闇に響く声の生き生きとした響き
「みやざき」にこそ近現代の忘れものを再起させる力がある。
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