fc2ブログ

「新たな時代の学びを創る」新刊紹介

2019-09-24
『中学校高等学校 国語科教育研究』
(全国大学国語教育学会編 東洋館出版社 2019年9月26日刊)
「Ⅳ 国語科授業づくりの実際 2思考力・判断力・表現力等を育てる授業づくり」

本日は、今週出版となる新刊(共同執筆)を紹介しておきたい。主に教員養成系大学の「国語科教育法」などで使用するテキストとなることを目的に、全国大学国語教育学会が編集したものである。以前にも同様の題となる書籍はあったが、学習指導要領の改訂により「主体的・対話的な深い学び」を創造すべく、新たな視点で学会内で各分野の先生方の研究成果を結集して編集された。今回の指導要領の改訂は、大学入試新テスト施行も相まって日本の子どもたちの学びを大きく転換しようとするものである。その邁進と裏腹に、「新テスト」や高等学校の課程編成をはじめとして問題視されている面が少なくない。大学入試で学生を受け入れ、中等教育の方法について新たな教育法を研究し学生に伝えている僕らの責務として、この改革の課題を克服し軟着陸であっても混乱のない方向へと導かねばなるまい。それほど大きな学びの過渡期に、今現在はさしかかっている。

さて、新刊では冒頭に記した項目頁において「中学校・読むこと 2)詩歌の指導」を執筆した。「(1)短歌の学習ー韻律・読みくらべ・創作」「 (2)詩の学習ー主体的読みから対話的群読」という二項目を立て、紙幅の関係で俳句の学習は割愛した。(1)では様々な授業観察記録から短歌学習で問題となっている教師が勘違いしやすい点の指摘に基づき、子どもたちが楽しく短歌創作をして他者と対話できる授業法についての提案を記している。(2)では、あまり時間数を割くことのできない詩の授業について、音読・朗読・群読をいかに有効に機能させるかを谷川俊太郎氏の発言にも言及しつつ「料理の食べ方」になぞらえて記している。短歌の項目では、若山牧水・栗木京子・俵万智の三人の名歌を引用させていただいた。牧水は言わずもがな、栗木さんは牧水賞選考委員であるため毎年一度は宮崎で様々にお話させていただいている。俵さんとは「心の花宮崎歌会」や様々な機会を通して交流しており、作品引用著者とこれほど懇意にしている同書の執筆者も稀であろう。ご興味のある方は、ぜひお手にとってご笑覧いただきたい。

本来的な意味で「新たな時代の学び」が創れるよう
指導要領ではなく教師の意識を転換せねばなるまい
そしてまた中等教育について、高等教育にいる人々も多くを知るべきである。


関連記事
スポンサーサイト



tag :
コメント:












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://inspire2011.blog.fc2.com/tb.php/3578-f9afde56

<< topページへこのページの先頭へ >>