南に山を望み東に樹木のある
2019-09-14
山を見れば今日の悔いなど小さく樹木を見れば明日へ向かい伸びゆく
生活圏の景色のことなど
1日の生活の中で、どれほどに自然に接しているだろうか?いま「接している」と書いたが、単に見ているだけでも「風」を通して触れているわけである。寝床に雨音を聞き降り具合を想像し、朝起きれば暁の空を見上げて雨雲の厚みを胸算用する。窓を開ければ草の香り高い風が舞い込み、鳥たちは既に存分に歌っている。家の前の路地で耳をすませば、遠く潮騒が聞こえる。自然あれば、身近に虫たちが平然と現れる。宮崎に来てから掌大の脚高蜘蛛や小さな算盤状の百足など、やや巨大な虫たちにも接する機会があった。もちろん玄関扉に家守は張り付き、時に越境して部屋の天井付近で僕を嘲笑った。
自然な空気の中で生きている、東京では決して得られなかった感覚。日常生活の中に潤いが生まれる。家から見える風景もまた大切で、南に山を望み東に樹木のある暮らし。東京のマンションの個室は甚だ密閉性が高く、前述したような虫1匹も生存しない。造られた清潔無垢な空間では、人もまた息苦しくなるのだ。長年、東京で会社を営み昨年引退をした両親が、宮崎に住みたいと強く希望した。小欄に書いている感覚である僕は、その気持ちが痛いほどわかった。東京での人間関係は希薄で、日常の食品も新鮮さが劣る。地方から見れば華々しさだけが目立つが、荒々しき砂漠であると喩えようか。両親の心身が乾かぬうちに、宮崎の潤う空気の中で生活をする日々へと大きな舵を切った。
階段端にカマキリが
そういえば9月13日は母方の祖父の命日
自然と親和的に生きる日々を大切に。
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