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重陽の宵闇を歩く

2019-09-10
月は朧げながら空に
虫たちの命の力が声になって
重陽に両親の長寿も祈りつつ

関東への接近・上陸では、今までにない規模と報道された台風15号。交通機関は混乱し鉄塔やゴルフ練習場の柱は倒れ、予想以上の被害があった方々にはお見舞い申し上げる。両親の外出なども心配された中、駅での長蛇の列や代替輸送機関の大混雑の映像を見るに、3.11以降も”あの教訓”は活かされているのかと疑問に思う。嘗てはその一人であったが、都会に住む人の自然への無感症がこうした都市の脆弱さの根本にあるのだろう。台風に馴れ台風に抗わない宮崎での生活には、自然を敬愛する心があるように思う。時節は新暦ながら「重陽の節句」、旧暦では「仲秋の名月」が間近である。そんな気分も手伝って夕食後に妻と自然豊かな大学キャンパス周辺を歩いた。暗闇に虫の音は喧しく、やや湿気が多いのが気になるが確実に秋へと自然は動いている。

大学院時代に履修していた中国文学演習では、旧暦九月九日(現在では十月上中旬)になると先生の計らいで研究室で菊酒をいただく習慣があった。菊には仙界の力が宿っており長寿になると、中国詩文やその影響を受けた平安日本漢詩文に多く詠まれる。「九」の数字は日本では「苦」の音を連想させ忌み嫌われることも多いが、中国語では「久」と音が共有しており「陽数(奇数)」最大の数字ということで縁起よしとされる。自らの生命を感じるのは、何よりまず身体を動かすこと。歩くリズムに乗れば、あれこれ脳内も活性化してくる。また妻と話せる速度、「スローにちょっとずつ」歩くのがよい。昼間の仕事ではあれこれ考えなければならないことも多いが、ともかく自分とは何かを今日もまた見つけようとする。夏休み中ということもあって、人影も少ないキャンパスは、実にありがたいウォーキングコースである。

各々の両親への思いも込めて
この宮崎の自然と和むひととき
既に東京の空気を吸えない自分を見つける。


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