耳を澄ます時間
2019-09-06
自然に聞く音意識しないと聞けない音
閑かさとはどんなあり様か・・・
いまここに何を記そうか昨日から脳内に残るものを探していると、窓の外からまだ薄暗い闇に虫の音や鴉の鳴き声が聞こえてきた。虫の音はこの時節、かなり喧しきものとなってきた。だがどの鳴き声が何の虫であるか?などと考えるようになったのも、宮崎での生活環境になってからである。東京でのマンション生活は、あまりにも自然からかけ離れたものがあった。宵闇や暁の空間から、どんな音が聞こえてくるか?五感の刺激よりもスマホ内からの架空な現実こそを、より「リアル」なものとして捉えがちな現代生活。退化してしまいそうな五感を、今一度見直して見るべきかと思う。
いままた雨が降り出した音がする。虫の音はかき消され、その降り方の度合いが聴覚から伝わってくる。さらに涼しい風が窓から僕の肌に寄せては触れる。こうして2行ほどの文章を書き進めるうちに、すっかり激しい降りになり窓を閉めた。いくつかの台風が発生しているせいか、唐突に外の音が変化する。打ちつける雨、風もまして吹き家の外の環境は一変した。この唐突さや激しさにも、宮崎ならではの音があると思う。近所の公共温泉に行くと、源泉賭け流しが浴槽に注ぐ音がいい。水が流れる音は、自然と人間が聴覚を通して和合できる域へと導いてくれる。あまりに非情な人間社会から、自然へと帰るひと時となる。
雨はやみ、雀たちの声がする
あの激しい雨をどこで凌いでいたのだろう
自らの身体が置かれている周囲の音ぐらいは聞いて生きていたいものだ。
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