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「一日一生」温かく身体を潤して

2019-08-26
すっかり秋の気たるや
涼しい風に虫の声が喧しい
ひとひ・ひとよ、をいかにいきるか

中学校教科書採録教材としての短歌といえば、「観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生」(栗木京子さん)が生徒たちに人気が高い。「君」と「我」との関係性に様々な読みを重ねることができ、誰でも遊園地で馴染みのある「観覧車」の鮮烈ではないがゆったりとした「回れ」が「ひとひ(一日)・ひとよ(一生)」の語と連鎖反応を起こして、「一日」を無為に足掻いて過ごしてしまった後悔や、一生こそは「いまその時」の連続であることを考えさせ、中学生に刹那や人生の悲哀を擬似体験させる想像が働くからではないかと思う。観覧車が「円形」なのは、形状そのものが「時間」の可視化であり、乗車すれば「時間」そのものを強烈に顕在化させる装置として人の感覚を揺さぶる。あなたの「今日」は、どんな観覧車でどんな景色を眺めただろうか。

休日の夕間暮れは、特に切なさが増す。穏やかな休日の終わりとともに、迎える1週間の様々な行動が気になり始める。嘗て「サザエさん症候群」と指摘されたように、あの6時54分頃のエンディングテーマ曲は穏やかながら多くの人々の心に刺さり、学校や職場に行きたくない身体的な作用が起きることさえあるのだと云う。心の中で「個」の素顔から「公」の仮面を被らねばならない精神的重圧、「ほ〜ら、ほ〜ら、みんなの声がする。サザエさん、サザエさん、サザエさ〜んは、ゆかいだな。」と明るく励まされれば、何とか持ちこたえられそうだが、昨今は深刻な場合も少なくないようだ。「一生」を「一日」に圧縮して考えることもあれば、「一日」に追い込まれることもなく自らの「一生」を悠然と思い描いてもいいはずなのだ。

温泉の穏やかなお湯に肌を癒し
冷えた身体を温め直すとき
繰り返すが、白鷺の羽ばたきのように悠然と日々を歩みたい。


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