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高校生は楽しく学ぼう!

2019-08-24
詩を群読する声の楽しみ
短歌を演じて解釈する身体的な表現
短歌の奥行きをみんなで探ってみよう

ここ数年間、宮崎県内のある高等学校1年生の「サマーキャンプ」に出前講義に赴いている。通常の授業では味わえないような「国語」との出逢いを提供するのが、大きなテーマである。僕自身も中高一貫校で教員をしていたので実情はわかるが、特に高等学校の学びが「大学入試」のみを目的にした大変に狭窄した視野のもとに行われてしまっていることには大きな危機感がある。この実情の波及として「論理」「文学」といった分断を掲げた新たな指導要領が提示され、先ごろ多くの文学研究関連学会が合同で意見書を提出したという状況もある。その一方でセンター試験に変わる「新テスト」の導入によって、大学現場が入試をいかに改革できるかも大きな焦点であろう。大学入試で求めらる力をつけようと高等学校の教育が動くのが必然であるならば、高大が連携してこの問題をともに考えていく必要がある。

僕が高校1年生の思考や発想を知り高大連携に身を乗り出すためにも、この「サマーキャンプ」への参加は貴重な機会である。当該校「国語」の先生とも実に有意義な学び合いが常に可能である。今回は3名のゼミ生を連れ立って、最初に詩の朗読・群読で40名の生徒たちと出逢った。ともに共感できそうな詩を声にすることで、初対面が親密に10分ほどで馴染んでくる。その後は、共通した短歌一首を挙げてその場面を想像して寸劇を創るワークショップ。様々な年代層で試行的に実践している演劇的ワークだが、高校生ならではの新たな「場面・配役」を披露した班もあり、彼らの「本気」な演技には大きな可能性を観た気がする。その後は、歌人の各二首の歌を5組番えておいて、それを「牧水短歌甲子園」のようにアピールと質問をするという擬似体験へ。「短歌の鑑賞文を書こう」といった教室での活動では見えてこない、生徒たちの自由な弁舌のやり取りはなかなか見応えがあった。中には「牧水短歌甲子園」に出場させたいように饒舌を奮う生徒も。まさにやり方次第で、高校生の可能性は無限大なのである。

ゼミ生たちも大きな学びに
出逢った高校生たちがこれからも楽しく学んで欲しい
夜は、ゼミ生たちの教員採用試験と教育実習の奮起を期待する食事会。


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