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短歌に読む「女性」と「愛」

2019-08-20
女性の豊かな生き方
奉仕と啓発活動をされている方々に
近現代150年の「愛」を考える

女性の豊かな生き方を求める奉仕団体の会合で「卓話」をとご依頼をいただき、30分ほどの話を申し上げた。会の趣旨には大変に賛同できるものがあり、「女性」と「愛」というテーマを何とか語れないものかと与謝野晶子・若山牧水・俵万智の三人の歌人に絞り、何首かの歌に焦点化した話をすることにした。明治時代にあって、鮮烈な「女性の愛情」の心を歌に託した晶子。文芸によって近代的な自我における「恋愛」というテーマを具現化した、文学史上なくてはならない存在である。席上、その自由で潔い詠いぶりに共感される方々も多く、情熱的なときめきを思い返したという声も多く聞かれた。時代は令和となったが、近現代で我々が獲得して来たものを再確認する時期に来ているのかもしれない。

酒や旅の歌人と一般的に言われる牧水もまた「恋」の歌人であることは、昨年出版の俵万智さんの好著『牧水の恋』で知られるようになった。そこにはまた、牧水の澄んだ眼のごとき純朴な心のあり様を読むべきであろう。恋人や妻のみならず、母への生涯を通じた敬慕と酒へのひたむきな敬愛のこころは、やはり宮崎という風土が生んだ穏やかな人間性といえるであろう。宮崎在住の俵万智さんの歌もまた、恋を始め自分という存在の全肯定を感じさせる歌が多い。女性として恋人として母としての生き様が、まさに「歌うことは生きること」を実感させてくれる。奇しくもこの日に題材とした三人の歌人は、近現代短歌史を語るには外せない。地方と都会という問題を含めて、あらためて「女性」と「愛」の問題は現在の若い人たちとともに考えていきたいテーマである。

短歌は人の心に発し人の心に直接に響く
牧水短歌甲子園の高校生たちの熱い闘いも紹介した
そして来月9月17日、牧水祭(命日)には生家前のふるさとの家で対談をする。


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