ああ早稲田大学書道会ー70周年記念書展
2019-08-04
あの頃、先輩や後輩たちと何も怖れず何もこだわらず楽しかった時代
都の西北、校歌が響く
大学時代の課外活動ともいえるサークル活動は、少なからず「生き方」に影響を与えるように思う。活動の主旨たる技芸のみのらず、先輩後輩との人間関係や組織運営に携わる経験がこの上もなく大きい。その様々な人々との親交や摩擦や葛藤が、人として成長する大きな契機になったと後にして痛感するのである。僕の所属していた早稲田大学書道会が、創立70周年を迎えた。この度、記念書展が東京で開催されており記念講演・懇親会も行われるのに参加するために上京した。誠に拙作であるが僕も何とか出品し、年代別に展示された中に仲間入りすることができた。創立当時より現役生に至るまで、その作品構成そのものが歴史を物語っていて壮観であった。
会津八一先生の作品の重厚な文字。小渕恵三元首相もOBであり、賛助作品を含めて多様な書が壁面を彩った。漢字・仮名から僕のように自詠短歌を書いた近代詩文、または陶器に文字を記した留学生もいて我が書道会らしき個性ある作品が光った。大学書道会は東京内でも多々あるが、うちの会ほど多様な作品を書くことが許容されている会はない。その自由さ闊達さの思考を僕自身も大学時代に存分に学んだように思う。書道は流派があって師匠の流れに従うという、いわば忖度する技芸である点も否めないが、本会の場合はむしろそうした枠組を超えるための表現をすべき、という姿勢を学んだ。そして何よりも挑戦する気持ち、何事にも表現こそ大切であること。現役生の毅然とした挨拶を見て、そんな進取の精神が健在である逞しさ知る機会であった。
先輩や後輩の悲しい報せも
70周年の次は10年後か・・・
ああ早稲田大学書道会、久遠の理想。
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