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海と歌と踊りー「心の花」徳島全国大会

2019-07-28

「天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ」(『柿本人麻呂歌集』)
「都にて山の端に見し月なれど海より出でて海にこそ入れ」(貫之『後撰集』)
古代人は海を知らなかった。

「現代では海を知らない人はいない、だが・・・」佐佐木幸綱先生が口火を切り、伊藤一彦先生の司会、晋樹隆彦さん・俵万智さんによる座談会から「心の花」徳島全国大会が幕を開けた。「海」は生命の源、普遍性を求めた歌も多い。四人の方々のうち三人までが若山牧水の歌を引いていたのも印象的であったが、牧水もまた山間で生まれ育ったゆえに、海への憧憬が厚かったということもあろう。「君かりにかのわだつみに思はれて言ひよられなばいかにしたまふ」を伊藤先生が、「手をとりてわれらは立てり春の日のみどりの海に無限の岸に」を俵さんが、「海の猛者鯨といふはわだつみの青潮を吸ふわれは盃」を晋樹さんが引いた。また佐佐木幸綱先生は、「海底に夜ごとしづかに溶けゐつつあらむ。航空母艦も火夫も」の塚本邦雄の歌を引き、戦争の影の残る海を韻律の不協和音で描いた話題は展開した。

結社としての「心の花」の未来と題した座談会では、「人と人との繋がりが結社に入って短歌をやっている大きな意味である。」といった発言が続いた。黒岩剛仁さんの司会で、大口玲子さん、佐佐木頼綱さん、佐佐木定綱さんの四人が本音で結社の未来を語り合った。大口さんの発言にあった、「地方で短歌をやること」における意義や問題提起は現実として僕自身も当事者として様々に考えさせられた。都鄙の問題はもちろん短歌に限らないが、一極集中というこの国の現状はせめて短歌では広く深く公平にありたいものだ。そのためにも「人と人との関係」が求められる。頼綱さんの発言で「ミニコミ=小さなコミュニティで楽しむ」ことで、先生や先輩・後輩との関係の中で短歌が学べる環境が大切というのは、少子高齢化社会を見据えて大変に重要な指摘であると思う。もちろん、まずは宮崎でそんな環境を学生も含めて実践するのが僕自身の大きな責務ではないかと決意も新たにする機会であった。

懇親会では「阿波踊り」も
二次会を含めて深い人と人との繋がりが
短歌って本当に楽しいですね!!!
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