蝶か?蛾か?温暖化による北上の最前線
2019-07-13
農学部の学生に聞いて正体が「蛾」でイヌマキを枯らす害虫と図鑑に
益虫か?害虫か?と人間の勝手な・・・
自宅のある住宅街付近に、今年はやたらと見知らぬ蝶が乱舞していた。先月来の長雨を越えて少しは、見かける数が少なくなって聊かは安堵していたところであった。いったいあの「蝶」は何という名前で、どんな種類のものなのだろう?自らWeb検索しても、なかなか「名前」には辿り着けていなかった。先日の短歌会で「蝶」を詠んだ歌について僕が語ると、農学部の学生が異様な響きの名前を口走った。歌評とは齟齬しそうであったので、その場では書き留めることもなく過ごしてしまった。だが、彼の口走ったその異様な音がどうしても知りたくなって、LINEで問い合わせてみた。すると「キオビエダシャク」という名であると、図鑑の該当ページの写真を含めて返信をくれた。先入観でこれは中南米あたりに由来する外来種ではないかと思っていたが、どうやら「黄帯枝尺」と漢字表記があるらしい。名前も「ラテン語」などではなく、「日本語」なのであったことにまた驚かされた。
名前が判明したのであらためてWeb検索してみると、宮崎県のホームページなどにも過去からの発生状況などが記されていた。どうやら僕がまだ宮崎に住んでいない2012年以前に、鹿児島県から大量発生しイヌマキ(一つ葉の生垣などにする草木)などを枯らす被害がだいぶ出たらしい。宮崎県でも南部から拡大し、次第にその棲息北限が上がっていると云うのだ。どうやら東南アジアから南西諸島に拡がり、温暖化の影響で九州南部まで棲息域を拡げたようだ。だが寒い冬の影響などで、恒常的に棲息することは不可能だったらしく、しばらくは”なりを潜め”ていたのだと云う。自宅の剪定をお願いしている植木屋さんも、確か「一度は根絶やしにした」といった趣旨のことを言っていた。どうやら僕は、「地球温暖化の最前線」をこの宮崎で体感したらしい。それにしても近現代の人間の傲慢で生じた温暖化、日本列島の南端からまた被害域が拡がる。果たして「キオビエダシャク」を悪者にして「殲滅」すれば済む問題なのかと、この地球で豊かに生きたい人間としての責任を痛感するのだ。
地球の中で何が起こっているのか?
その最前線という意識を九州でこそ
コンクリートで捏造した清潔らしさに覆われた都会では決してわからないこと。
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