答えの冊子?に何がある
2019-07-07
ワークブックの答えの冊子「見るな」と言われてそこだけに「真実」と思い込む
わからないことがたくさんあるのが文化
小中高校の学習を通して、ワークブックという代物がある。たぶん僕らの世代も、現在の世代も同じように存在しているのだろう。算数や数学の問題をを解いていて、ついついその解答冊子を見たい衝動に駆られた記憶がある。とりわけ算数・数学は嫌いであったゆえかもしれないが、その冊子の中の答えのみが求めるべきもので、考え方の過程に「文化」があるなどと気づく機会にはなかなか巡り会えなかった。国語もまた同じく、漢字の学習などは「トメハネ」や字体などの確信的な「答え」があって、「○」か「✖️」で決められるものだと思い込んでいるのが一般的であろう。
だが、学問的な「問い」で「○」か「✖️」かと考えるほど愚かなことはない。政治的なことを始めとしてTV番組のドヤ騒ぎの中でも、こうした「どちらかが答え」という「問い」が蔓延している。そうした発想の愚劣さに、せめて小中高校の教員は自覚的になるべきであろう。いわば、「漢字」についても「正解」があるわけではなく、歴史的に様々な条件の中で「適切」な表記が選びとられているのだ。そしてまた学校現場では「学者ならなんでもわかっている」という幻想があり、やはり「正解」があると思っている向きも多い。例えば、あなたは「令和」の「令」をどのように手書きするだろうか?このWeb上の「字体」?そして新元号発表の際に官房長官が掲げた毛筆書体、小学校のワークブックの「答え」の冊子に表記された文字?いかがであろうか?
「学び」の核心とは何か?
大学の役割はその自覚を促すことでもある
思い込みでは何もよくならないことは歴史が証明している。
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