題詠「成」怖い歌ー宮崎大学短歌会平成最後の歌会
2019-04-24
「育成ゲーム」が複数時代の終わりと始まり
読み方によって怖い歌にもなる・・・
実は僕たちは、歴史的な1ヶ月を生きている。天皇陛下のご生前退位に伴う新元号の事前発表から新天皇即位までという、元号が変わることを予告された時代の「終末」を生きている訳である。メディアは事あるごとに「平成最後」を枕詞のごとく使用し、GWが10連休という点でも新学期の始まり直後としては類稀な休日を控えた特別の中にある。今週の講義を終えると曜日によっては5月中旬までないものもある。連休明けは火曜日であるが曜日調整のために「月曜授業日」と所属大学の学年暦は設定されている。こんな状況の中、今年度初にして平成最後の宮崎大学短歌会歌会が開催された。新入生も加えて、新たな時代を感じさせる歌会となった。
題詠は「成」、まさに「平成」からの題である。印象深かったのは「育成ゲーム」といった内容を詠んだものが2首あったこと。僕自身は「ゲーム」について疎いのだが、学生たちの間ではその内容に想像が豊かに及ぶような批評が聞けた。さながら彼らの生活の中には、「ゲーム」という「物語」が生成しているようだ。また「時代の変遷」を詠んだ歌も目立った。表面的には「希望の未来」を願う歌に見えるが、よく読むと「終末思想」や「平和だった平成の後は?」を想像させる面も読めて来て、実は「怖い歌」なのではないかという指摘も僕を含めて複数聞かれた。「元号」で大きく時代の内実が変化する訳ではなかろうが、やはり「末法思想」「2000年問題」等々、時代の節目には変化が生じると考えるのが人間の常道なのか。
「平成」から「令和」へ
短歌は変わらず詠い続ける
宮崎大学短歌会も明日へと歩む
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