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巣ごもり卵を崩す破るー宮崎大学短歌会送別会

2019-03-27
題詠「巣」
巣立ちの季節
「巣ごもり卵」に「巣に籠る」などなど

大学卒業式も終わり、この時期に卒業生は新たな職場への準備に追われている。教員になる者は、赴任地での生活へ向けて(発表から)ほぼ半月ぐらいの間に、家や引越などの赴任準備で慌ただしい日々のようである。とりわけ昨今の「引越難民」という語が聞かれるように、業者の予約の困難さや高騰した価格のことを聞くと、新任前から困難に直面しているようで何らかの対策が待たれるようにも思う。そんな中、宮崎大学短歌会では少しでも癒しの時間をということもあり、卒業・修了生の送別会を学生たちが催した。短歌会卒業生が昨年から逐次教員に就職しているが、この丹念な繰り返しが「短歌県みやざき」の層を厚くする原動力となるであろう。「宮崎の先生(に限らず社会人)はよく短歌を詠みますね」という評判が立つべく、10年構想で挑みたいと思う。

僕自身は会議で結局は参加できなかったが、送別会前には「追い出し歌会」が開催された。この日にちなんで題詠は「巣」、「巣立つ」「蜂の巣」「アリの巣」などが詠み込まれた歌が詠草に並んだが、中でも「巣ごもり卵」というのが二首あって目を引いた。周知のようにこれは料理名で、「細く切った野菜に鶏卵をくずさないように割り入れ、加熱した料理。鳥の巣に卵がある様に見立てたもの。」(デジタル大辞泉による)である。その「鳥の巣」を食する際には、どうしても崩さなければならず、その無常とも無情とも思える心情を詠んだ歌には興味が惹かれた。もちろん「卵」のままでは成長できず、「巣籠もり」から歩み出してこそ明日が見える。料理はその生きる上での成長を象徴的に味わい体験できる装置と化すわけで、「見立て」と料理の味わう場面が心情の機微を具象すべく機能するわけだ。料理名そのものに比喩性があるのは、短歌との相性もよかったということになろうか。

教師の卵を温める巣
短歌が好きな雛よ育てよ
「崩す」「破る」より新しい明日が始まるのが人生である。


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