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歩く・声出す・温もりて活きる

2019-03-20
1日何歩歩いているか?
短歌などを声に出して読んでいるか?
そして入浴で身体を温めているか?

来月刊行される短歌雑誌に、若山牧水についての評論を寄稿させていただいた。そこで言及したことを、少々「予告」しておきたいと思う。牧水が調子よく短歌を創る時には、それなりの条件があるようだ。「旅の歌人」と言われる牧水はかなりの距離を自らの足で歩き、その中で素材を狩り取り自らの歌に仕立てて行く。「仕立てて行く」は作為的で聊か語弊があるかもしれない、歩いて周囲の自然と親和的関係を結ぶと、その自然の一部として短歌の韻律の上に言葉が紡ぎ出されると言えばよいか。時に歩きながら独り言のように声を出し、その心の向くところを制御したり火をつけたりしている。さらにはかなりの風呂好きであったようで、温泉場に到着するとすぐに風呂を求める。身体が温まればまた、短歌を整理したり推敲したりする。こんな旅の様子がその紀行文から知られる。

先週、地元紙に掲載されていた地域啓発型の歩数アプリをスマホに入れた。宮崎弁「さるこう(SALKO)」という名のアプリで、「歩こう」の意味である。大学との往復を徒歩にしたりとなるべく生活の中で歩くように心がけるようになった。出張の折は東京での公共交通機関での移動で、かなりの歩数を稼ぐことができた。だが宮崎では車を使用することも多く、むしろ意識しないとなかなか歩数は伸びない。講義でも始まればまだ、授業中にじっとはしていないたちなのでそれなりの歩数になる。大学も会議などばかりで学生もおらず事務的な会話に終始し、なかなか豊かな対話が持てない時期である。こちらもある書物に啓発されて、毎日10首づつ『百人一首』を音読するようにしている。もちろん一日の疲れを取るには近くの温泉に行くのだが、身体を温めながらの独り言が短歌にはよい作用をもたらすように思う。昨晩は露天風呂のある温泉で、月の眺めと潮騒をBGMに、脳内が大変活性化された時が訪れた。

身体作用と脳内作用
連動して人は生きている
この生命を活かすには、歩く・声出す・温もるを忘れてはなるまい。


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