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ああ「万葉集研究会」

2019-02-23
自分の読みを出す機会
そしてまた酒杯をあげながら
諸方面への旅行も先生らとともに

世に出て大学時代で礎になったことを、と挙げるならば「万葉集研究会」となるだろう。所属する文学部では、卒論指導教授は決めるが「ゼミ・演習」などの機会はなく、自ら先生のところへ出向かない限りは指導など受けられないという主体性の必要な場であった。しかし日本文学専修には、学生研究班という組織が編成されていて時代や作品ごとの研究会がいくつも林立していた。そのうち僕が門を叩いたのが、所謂「万研」である。週に1度、先生の研究室で行われる研究会は実に刺激的で、先輩たちが万葉集の歌に対して持論の読みを展開し、ある時は対立し先生も含めて熱く議論する日々であった。歌はこのように自らの読みを対話・交流することで初めて見えてくるものだと、文学研究の奥行きを知る貴重な機会であった。

当時の大学構内は実に寛容な場で、黄昏どきにもなると研究室の書棚の内部が見えない扉が開き茶碗とウイスキーボトルが机上に登場した。先生が「もういいでしょう」と言うと、そのウイスキーを酌み交わし、さらに万葉歌に関連した話題が展開する。声のとても大きな先輩がいて、他の研究室の先生に怒鳴り込まれたことも少なくなかった。この場では、もちろん先生の研究の偉大さを知るとともに、人間味の厚さを深く実感したものだ。ゆえに多くの先輩後輩諸氏は、実に人情味のある人との交友を大切にする人々であった。卒業後にも折を見ての酒宴や関西方面を中心とする旅行に、先生を含めて多くの人々が参加した。本日、小欄に「万研」のことを記したのは他でもない。昨日あまりにも突然に、僕にとってとても大切な先輩の訃報が届いたゆえである。

先輩後輩諸氏の悲しみが聞こえる
今一度、ともに旅行に出かけたかった
先生の元へとそんなに急いで逝かないでください。


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