スケッチブックをどう使うか?
2019-02-13
頭にあるものを書き留める否、発想を吐き出して自分を見つめる
文章や創作物もみな同じく
中高の教員をしていた頃、所謂「作文」を課すと、すぐに書き始める生徒となかなか書き始めらえない生徒がいた。過去の「作文」では、原稿用紙を配布してすぐに「完成形」を求めるような乱暴な方法が平然と行われていたが、最近ではまず発想や素材を発見できる準備段階も重視している。要はいきなり「完成形」を求めることそのものが、文章を書くこととは何か?という根本をわかっていないことになる。彫刻でも、「目鼻立ち」など細部から彫り始める訳ではない。まずは「粗々」と大まかな「人型」から彫り始めるのが常道であろう。
だが、時にこの発想段階を脳内で巧みに整理できる生徒がいないわけではない。ある生徒は400字詰原稿用紙2枚ぐらいなら、あっという間に書き上げた。彼は高校サッカー選手権でも活躍し、Jリーグや日本代表を歴任し今やあるチームのマネージメントをすべく上に立つ存在だ。もちろん、TVなどでの解説も実に的確でわかりやすい。こんな教え子もいる。イラストレーターや画家たちが、スケッチブックをどう使うか?という問いが、先日の「演劇と学校教育」のワークショップで提起された。もちろん「完成品」を書いて記録するのではなく、発想をそこに書き出し自ら書いたものに自ら刺激を受けて新たな創作の境地に至るわけである。これは文章もまた同じ、書きながら新たな発想や着眼点が見つかるものである。
脳内そのものをスケッチブックに
自由に書き出すメモ帳を持とう
「自分」とは自分でも表現しないとわからないものである。
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