主題(テーマ性)と思い込み
2018-12-15
「〜は」とは主題の提示日常会話では省略されることも多いのだが
時に思い込みで、「主題」がズレることも・・・
日常的な会話の中で、ある「主題」について話していたと思い込んでいたら、相手は違う「主題」に関して話していて、会話が先まで行ってから齟齬に気づくという経験はないだろうか。本来は会話の中で共有される「主題(テーマ)」が、話す両者の間でいつの間にか食い違うことから生じる状況である。往々にして日本語には「主語の省略」が多く、古文を読む際などは文脈の中で主格となる「主語」を意識しないと、解釈ができない場合も多い。特に中心的にテーマ性のある「主題」に齟齬が生じると、重要な案件を話している場合には大きな支障になりかねない。
「声の文化」を共有していた明治40年以前の社会では、日常会話の中でこの「主題性」がどうだったのか?などと気になることがある。「耳で聞いてわかりやすい」ことが肝要であり、若山牧水の短歌にその傾向が見られるのは、「声の文化」から「文字の文化」への移行期に生きた歌人であるからでは、といったことを既に評論で述べたことがある。肝心となるのは「文脈」であり、落語などの話芸が場面説明ではなく「場」に存在する人間の臨場感を語り出すのは、聞く側を「その場」の文脈へと連れて行くということだろう。「文字の文化」いやその先の「映像の文化」の中に生きる僕たちは、五感と言語との総合的な関係性を失いかけているのではないだろうか、などと考えることがある。
重要な話こそ「主題」を明確に
「〜については」を確認的に示すこと
言語と短歌と耳をテーマとして様々に考えてみたい。
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