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地方新聞の貴重な価値

2018-12-13
「牧水未発表歌」が一面トップ記事
そして、誤りとあれば一面下欄に訂正記事
大手新聞が失ってしまったメディアとしての矜持

昨日の小欄で取り上げた「牧水未発表歌」は、宮崎日日新聞の一面トップ記事として輝いた。僕ら短歌関係者にとっては大変重大なニュースであるが、果たして大手新聞社であればどれほどの大きさで扱うのだろうかなどと考えた。一面記事は遺墨の所有者遺族や県立図書館館長・伊藤一彦先生らの記者会見の模様と牧水の条幅の写真を大きなカラー版で記載してあった。一概に「地方新聞」と言っても、「文化」的ニュースを一面に据えるものが果たして全国でどれほどあるだろうか、とも思いを馳せてみた。「新聞」というメディアの価値が縮小化する社会において、まずは宮崎日日新聞の「文化尊重」の基本姿勢は、大きく讃えるべきものと思う。もちろん、その一面に価値を見出す宮崎県民を中心とする購読者の存在も忘れてはなるまい。

さらに特筆すべきは、昨日の小欄に記した経緯で県立図書館の翻字に誤りがあったことを、すぐさま昨日付(記事記載の翌日)で一面下欄に訂正記事を掲載したことには、深い感銘さえ覚えた。このことをFacebookに投稿すると、研究者としての先輩諸氏からも絶賛の言葉が寄せられた。「文化」の軽視とともに、その解読次元での訂正への価値付けが大手新聞では著しく低下しているのが実情であることを炙り出した形になった。「よだきい」などの古語が周圏論よろしく、宮崎で使用されているのは誠に意味あることのように思う。同じようにこの日本社会が失ったものを、「地方」が維持保存している場合は多い。明治150年の今年において、牧水が世に問うことは実に多面的であると言わざるを得ない。

「文化」のある地方を疲弊させること勿れ
「豊かさ」「幸福論」の議論も様々に行われている
牧水のごとく抗わず親和的に今を地方から見つめたい


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