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開かざる鍵の頑固であるこそ

2018-11-22
コイン式ロッカー
「100円は戻ります」ガチャリ
貴重品は閉じ込められて帰るのもままならず

常連と化して頻繁に出入りする自宅から至近の公共温泉。男女に分かれ浴室へ入る前の廊下に、コイン式ロッカーが設置されている。普段から財布・スマホ・鍵ケースに眼鏡をこのロッカーに預けることを習慣にしている。この日は偶々100円玉がなく、同行した母が1枚だけ100円があるというので、共同で同じロッカーに貴重品を預けようということになった。母の背丈も考慮して普段は使用しない番号の箱を選び、2人分の貴重品を全て入れた。思いもよらぬ事態は、この後起きた。母が鍵を捻り抜こうとすると、一向に鍵が抜けない。戻して100円を返却しようとすると、それも儘ならぬ。しばらく鍵を左右に小さく動く範囲で揺すってみたりしたが埒が明かない。

施設の方を母が呼びに行ったが、職員の女性の方もどうすることもできず。とうとう支配人が来てくれて、マスターキーなどを利用して開錠を試みた。それでも簡単に鍵は開かない。とうとう潤滑油やら、ドライバーにペンチなどの工具まで搬入され30分以上の格闘の現場となった。母は僕を気遣い「温泉に入って来たら」と勧めたが、このままでは帰宅できないことを考えると温泉内でも寛げない。第一奮闘する支配人にも申し訳ない思いで、その場を見守り続けた。もとより僕らに責任があったり行動が悪かったわけではないが、人情としてはその場を離れ難いであろう。そしてようやくその時が来た、鍵は装置ごとロッカーから外れ扉は開かれたのだ。残り20数分、通常は1時間ほどの温浴時間をとっているのでもちろん物足りないのだが、その現場に居続けた自分の方が、とても意味があったのだと湯船に納得する宵であった。

鍵を腕に巻いて温泉に入ると成分が付着する
それで鍵が抜きにくくなるが鍵を肌身離してはならずと云う
鍵の頑丈さを眼の当たりにして貴重品管理の重要性を知るのであった。


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