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「ただ一問の質問にすぎぬ」なれども

2018-11-06
「人生はただ一問の質問にすぎぬと書けば二月のかもめ」
(寺山修司『テーブルの上の荒野』より)
しかして、あれこれと逡巡する問いのある・・・

週末にも何かと仕事のある日々を送っているが、週明けは「サザエさん症候群」でもあるまいに、あれこれ自問自答を繰り返していた。そんな折しも、月曜日は会議からのスタート。気持ちのコンディションをいかに保つか、ということが最近の大きな課題であるように思う。次から次へと絶え間なく押し寄せる仕事の波、波間に揺れながら自らのこころの在り処を弄るようでもある。されど「波」は波であるがゆえに、時折「凪」が訪れることもある。その「凪」が自ずと短歌からもたらされることも少なくない。冒頭に記した寺山の歌を読んで、まさにこころに「凪」がやって来たのだ。「人生」とは「ただ一問の質問にすぎぬ」のである。

大空を舞う姿を見たいと思う鳥の代表格は「かもめ」ではないだろうか。身近な「すずめ」では動きが細かく小さく、「大空を舞う」というイメージにあらず。ごみ収集所を狙うからすなどは言うに及ばず。先日は美々津で椋鳥の集団を見上げたが、いかにも団体行動の飛翔は慌ただしい。「かもめ」の場合は鳴き声からして「海浜」「潮流」を感じさせ、広大で奥深い海へとこころを誘ってくれるかのようである。サザンの曲にも、かもめの鳴き声が挿入されている曲が少なくとも3曲はある。その声はすぐに茅ヶ崎海岸の光景を想像させてくれる。などと「かもめ」についてはいくらでもイメージを書けるが「二月の」とあるので再び「問い」が立つ。やはり「ただ一問の質問」には「すぎなかった」との逆説を感じさせるのも、寺山の演出的仕掛けなのだろうか。

逡巡ののち、黄昏にはすっきりした開放感
温かい夕食が身に沁みる
そして贅沢に温泉で身体を温める「十一月のかもめ」である。


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