短歌で時間も遡る
2018-10-16
若い時にしか詠めないこと仕事に就いて初めて詠めること
「いま」をどう捉えて詠むか・・・
後期初めての宮崎大学短歌会月例歌会を開催。新たなメンバーを加え、また仕事に就いている卒業生も含めて楽しい会になった。会員の大学生が相互に歌を語り合い学ぶことはもちろんであるが、僕自身としては「若いこころ」が知られる機会として誠に貴重である。この日は自由題であるゆえ様々な歌が詠草に並んだが、恋愛に関するこころの機微を詠んだ歌などからは、自らの学生時代の「恋心」などを思い返してしまった。同時に当時から歌を詠んでいたら、どんなにか人生の機微をことばにできていただろうかと、遥か学生時代まで時間を巻き戻したい気持ちにもなった。
だが時間は元には戻らない、人は決して遡ることができない川の流れの上で生きているのだ。昨日の小欄で記事にした「文化公演」にて、伊藤一彦先生がこんなことを仰っていた。「若い頃のことでも『思い出』というのは『いま』のものだから、歌に詠めるのである。」と云うのである。歌とは「いまここ」の自分の「こころ」を、「ことば」で記すものなのである。「いま」でも「こころ」に大切にしまってあるもの、それはむしろ貴重な「モチーフ」であり「素材」である。などと考えると、学生短歌会歌会に参加するときぐらいは、「学生の年齢の立場」になって歌を詠むのもいいかもしれない、などとこの日の歌会中に一人で得心した次第である。
短歌を詠めば「あの頃」にも帰れる
古い本に挟まった栞のページを開くように
「いまここ」にいるのはすべての「過去」の蓄積の上にあるゆえ。
- 関連記事
-
- 勝敗はつけるべきか?ー令和老若歌合へ向けて (2019/05/22)
- 題詠「成」怖い歌ー宮崎大学短歌会平成最後の歌会 (2019/04/24)
- 巣ごもり卵を崩す破るー宮崎大学短歌会送別会 (2019/03/27)
- 全国大学短歌バトル壮行会ー宮崎大学短歌会 (2019/02/27)
- 世代を語り継ぐー宮崎大学短歌会一月歌会 (2019/01/25)
- 題詠「平」ゆえに平かならずー宮崎大学短歌会納会 (2018/12/27)
- 青春は何歳までかー宮崎大学短歌会12月歌会 (2018/12/05)
- 短歌で時間も遡る (2018/10/16)
- 「牧水先生!おいしい短歌おしえてください!」宮崎大学短歌会公開歌会 (2018/07/10)
- 「椅子」の表現するものー宮崎大学短歌会6月歌会(その2) (2018/06/22)
- 「音・声」を大切にすることー宮崎大学短歌会6月歌会その1 (2018/06/12)
- GWスペシャル版ー宮崎大学短歌会歌会 (2018/05/03)
- 逞しき新人来たりー宮崎大学短歌会新歓の巻 (2018/04/18)
- 初回互選高得票の謎ー宮崎大学短歌会「追い出し歌会」 (2018/03/21)
- 大学短歌バトル2018ー宮崎から2チーム本大会へ (2018/03/04)
スポンサーサイト
tag :